島津評論 Vol.54[1](1997)
特集 ライフサイエンスと分析・試験

特集論文

ジベンゾスベリル基及びジベンゾスベレニル基の
ペプチド固相合成におけるアミノ保護基への応用(第1報)
―ペプチドアミドリンカーの合成―

野田昌樹1武田賢治2

島津評論 54〔1〕 49~53 (1997.3)

要旨

10,11-Dihydro-5H-dibenzo[a, d]cyclohepten-5-yl (dibenzosuberyl) 基及び 5H-Dibenzo[a, d]cyclohepten-5-yl (dibenzosuberenyl) 基を持つペプチドアミドリンカー(CHAリンカー及び CHE リンカー)を合成した。従来使用されている PAL リンカーと比較して,その酸(トリフルオロ酢酸(TFA))に対するペプチドアミド結合の開裂速度を検討するため,FmocVal-CHA-TGSレジン,FmocVal-CHE-TGS レジン及び Fmoc-PAL-TGS レジンのそれぞれを,50%TFA-5% フェノール・ジクロロメタン溶液,10% TFA-5% フェノール・ジクロロメタン溶液で処理し,レジンに残存する FmocVal-OH を UV で定量することにより測定した。 PAL リンカーは 50% TFA で半減期は5.5分,CHAリンカーは1.5分であり,10% TFA で CHA リンカーは11.5分,CHE リンカーは3.5分であった。この結果により新規ペプチドアミドリンカー(CHAリンカー及び CHE リンカー)は,PAL リンカーより穏和な酸条件でペプチドアミドを与えることが分かった。これらリンカーは生理活性ペプチドアミドの合成に応用され,すぐれた結果を与えている。


1基盤技術研究所 薬博
2分析機器事業部 応用技術部
※所属名は論文作成時のものです。

※島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。