島津評論 Vol.54[1](1997)
特集 ライフサイエンスと分析・試験

特集論文

構造解析のための MALDI-TOFMS

田中耕一1

島津評論 54〔1〕 9~16 (1997.3)

要旨

近年,MALDI-TOFMS 装置の普及に伴い,その機能を活用した様々な分析手法が開発され,試料の分子量を迅速・高感度・高精度で測定するのみならず,構造情報までも入手する方法が数多く考案され,活用されてきている。

構造情報を最も幅広く入手できる手法は,MS 測定も可能な MS/MS 装置を用いることになるが,比較的コストの安いMS 測定のみの装置でも導入可能な手法も多数存在する。例えば,試料の分解を促進するマトリックスの採用,酵素消化等の化学反応との組み合わせがある。また,コンピュータの処理・解析能力を活用した手法も開発されている。

本稿では,これらの手法とその特徴を紹介する。


1分析機器事業部技術部
※所属名は論文作成時のものです。

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