膜厚測定装置の測定時間の短縮

お客様の課題

膜厚測定装置へ光を入射する光学系に、集光レンズを使用した透過光学系を採用している。レンズを用いた集光は色収差をともなうため、測定波長全域の光を1点に集光することは困難である。
集光のロスをなくし、測定時間を短縮したい。

補足 透過光学系で発生する色収差とは?
色収差は、レンズ材料の屈折率の波長依存性により、波長によって結像位置がずれる現象のことを言います。そのため、球面レンズでは全ての波長の光を1点に集光することはできません。

軸上色収差

 

補足 反射光学系の利点は?
反射光学系では波長依存性がなく、色収差が発生しません。
また、特に紫外域の光を扱う場合にも反射光学系が有効です。レンズでは紫外域で高い透過率を有する材料は限られますが、金属ミラーでは紫外域でも優れた反射率が得られます。

島津の強み

★ここがポイント! 集光性に優れたトロイダルミラー
島津のトロイダルミラーは集光に最適な反射光学素子です。
反射面がトロイダル形状であるため球面ミラーで発生する非点収差を抑え、発散光を1点に集光することができます。
シミュレーションを通してお客様の光学配置に最適な仕様を提案することも可能です。

 

トロイダルミラーと球面ミラーの集光像比較(シミュレーション)
トロイダルミラーでは、非点収差の発生を抑え、ほぼ1点に集光が可能です。

 

★ここがポイント! 紫外域での高反射率を実現する独自Alコーティング技術
島津のAlコーティングは、独自技術により200 nm付近の紫外域においても高い反射率を実現しています。
これにより紫外域から赤外域まで広い波長帯域での使用に適しています。

島津を選んだ結果

トロイダルミラーを搭載した結果、新規開発した膜厚測定装置では測定スピードが向上した。
紫外域の光量を上げることができ、より薄い膜厚も測定できるようになった。

お客様の声

限られたスペース内で設計する必要がありましたが、短期間で最適なトロイダルミラーにたどり着きました。
島津製の分析装置にも搭載されているため、安心して使用できます。

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