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2022年2月17日 | お知らせ 内視鏡検査用デバイスを鮮明に映し出す、画像処理技術を開発
医師のストレス、検査時間、被ばく線量などを低減

左が従来の画像で、右がDeEPによる画像。体内のデバイスがより明瞭に把握できる。

画像提供:京都社会事業財団 京都桂病院

左が従来の画像で、右がDeEPによる画像。体内のデバイスがより明瞭に把握できる。

 

島津製作所は、X線テレビシステム「SONIALVISION G4(ソニアルビジョン ジーフォー)」による透視画像(動画)で、新たな画像処理技術「DeEP(ディープ)」を開発しました。
胆管・胆のうや膵管に結石やがんなどの疑いがある場合には、内視鏡による検査が行われます。X線透視画像で体内を確認しながら内視鏡を操作し、造影剤を注入して観察され、病理検査が必要な場合は組織の採取も行われます。
「DeEP」は、この内視鏡検査で用いる微細なデバイス(ガイドワイヤ、メタリックステント、チューブステント)を透視検査時の微量なX線照射量でも鮮明に映し出せる技術です。体内に挿入したデバイスの状態を、従来よりも容易に把握できることから、医師の負担が軽減され、よりスムーズに手技を行うことを支援します。検査時間の短縮、X線照射量の低減にもつながります。

当社は、X線でとらえた情報の中から周波数の違いを利用して、医師が特に必要とするデバイスの映像をより強調して鮮明に表示する技術開発に取り組んでまいりました。この技術を京都桂病院の消化器センター・消化器内科副部長の中井喜貴医師に評価いただき、この度完成させました。
患者さんの負担軽減など医療の進化のために、医療現場ではより微細なデバイスの使用が進められ、それを支えるためのより付加価値の高いX線画像が求められています。「DeEP」の画像処理技術は、胆管・膵管の検査だけでなく、消化器系の他の検査や、血管の検査などへの応用も期待でき、今後もそれらの領域での実用化に向けて展開を進めてまいります。