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2021年11月26日 | プレスリリース ハイエンド市場に新規参入でシェア拡大へ
新型分析天びん「AP-ADシリーズ」6モデルを発売

製品写真:(左)「AP324W-AD」(最小読取0.1mg)、 (右)新型電子天びん「AP225W-AD」(最小読取0.01mg)

製品写真:(左)「AP324W-AD」(最小読取0.1mg)、
(右)新型電子天びん「AP225W-AD」(最小読取0.01mg)

島津製作所は、11月26日に当社初となる分析天びんのハイエンドモデル「AP-ADシリーズ」6モデルを発売しました。「AP-ADシリーズ」は2017年に発売した「APシリーズ」の「約2秒での高速計量」「誤差が生じにくく安定性が高い計量」という基本性能に加え、オートドアやタッチレスセンサといった機能を搭載し、利便性を向上させました。当社は、本シリーズで分析天びんのハイエンド市場に新規参入することで、分析天びんのグローバルシェア約10%の獲得を目指します。

「AP-ADシリーズ」は、作業性を向上するオートドアを新たに搭載しました。タッチレスセンサも備えたことにより一連の計量作業を本体操作パネルに触れることなく行え、感染症予防や分析サンプルへの異物混入リスク低減に役立ちます。さらに、サンプルや容器の静電気除去を可能にするイオナイザ、計量時間短縮に役立つ可動式風防内部プレート(最小表示0.01mgモデルのみ)を標準装備しました。長期にわたって高速かつ安定的な計量を実現し、計量の作業効率を著しく向上させます。また、計量データ管理システム「LabSolutions Balance」を介して当社の分析ネットワークシステムに組み込むことで、液体クロマトグラフなどの様々な分析装置の測定データと併せて情報を管理でき、製薬業界などで求められる最新の規制に対応できます。

分析天びんは、分析に使われる試薬・サンプルなどの重量を測定する基本的な計測機器です。大学などの教育機関、官公庁をはじめ製薬、化学、電機、食品など様々な業界の顧客に、研究開発、製造、品質管理などの場面で使用されています。島津製作所は1918年以来天びんを製造販売している、国内有数の分析天びんメーカーです。当社は、今後もより高性能かつ使いやすい製品開発と、ユーザーの作業効率向上に貢献してまいります。

分析天びん構造図

分析天びん構造図

新製品の特長

1. オートドアとタッチレスセンサで作業性を向上

分析天びんは、周囲の風の影響を防ぐため、サンプルを載せる計量皿の側面・上部がガラス扉で囲われています。本シリーズではガラス扉を約1秒で開閉する高速動作のオートドア機能を搭載しました。開閉位置を記憶する自動学習機能と、両手に試薬・サンプルなどを持ったままでもガラス扉を開閉できるタッチレスセンサが備わっています。タッチレスセンサは天びんの左右にあり、手をかざしている時間の長短によって最大4つの操作を割り当てられます。一連の計量作業を本体に触れることなく行え、作業効率向上だけでなく有害物質の取り扱い時の衛生的な作業も可能にします。

2. 内蔵イオナイザと可動式風防プレートで素早く正確に計量

分析天びんによる計量では、サンプルや容器が静電気の影響を受けたり、ガラス扉で囲った内部に温度変化による対流が起こったりすると、計量値が安定しません。本シリーズでは、従来製品「APシリーズ」でオプション設定としていた静電気除去用イオナイザを標準装備としており、帯電しやすいサンプルや容器の静電気の影響を防ぎます。また、最小読取0.01mgモデルで標準搭載する可動式風防内部プレートで、ひょう量室内の対流や気流の影響を抑え、計量時間の短縮や、外気の温度変化に対する安定性を向上できます。

3. 規制対応や他社互換性などの顧客ニーズを充足

本シリーズを「LabSolutions Balance」に接続することで、計量結果を作業者名、計量日時などの情報と併せて管理できデータの信頼性を確保し、各種規制対応をサポートします。また、当社の分析ネットワークシステムに接続することで、高速液体クロマトグラフ(HPLC)などの様々な分析装置の測定データと併せて情報を管理でき、製薬業界などで求められる最新の規制に対応できます。HPLCとあわせて使用するユーザー向けには、登録したレシピに従って計量すべき物質と質量を表示し、緩衝溶液の調合をサポートする機能も備えています。
加えて、新たにドア開閉や停止位置設定も含めたオートドア動作などが、PCからコントロール可能となりました。コーティング剤塗布前後での製品計量による塗布量の把握用途など製造ラインへ組み込まれている場合にも、他の装置とあわせて製造ライン全体をPCからコントロールできます。品質管理用途でもラボの自動化に貢献します。また、ドア開閉および計量データ取得等の機能には他社互換性を持たせており、既存の製造ラインやソフトウェアを有効活用しつつ自動化できます。

  • *分離の安定性を向上させるために分析時に使用する溶液
製品名 「AP-AD」シリーズ(最小読取0.01mgおよび0.1mg、ひょう量120g~320g、校正分銅内蔵モデル)
希望販売価格 53万円~110万円(税別)
目標販売数量 発売後1年間で国内外合わせて1,200台(「AP-AD」シリーズ全体)

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