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2019年5月29日 | プレスリリース A3サイズ設置面積ながら詳細な構造解析が可能
MALDIデジタルイオントラップ型質量分析計「MALDImini-1」発売

島津製作所は、MALDIデジタルイオントラップ型質量分析計「MALDImini-1」を発売いたします。MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)技術を搭載した質量分析計(以下MALDI-MS)としては、設置面積が世界最小となる卓上型です。MSn※1による構造解析が可能なため、抗体などのタンパク質の修飾部位の特定や配列解析に利用できます。タンパク質やペプチド、糖鎖、脂質など生体分子から合成分子まで幅広い分析に対応が可能です。

MALDIは、弊社シニアフェローである田中耕一のノーベル化学賞の受賞理由となった技術です。マトリックス(イオン化補助剤)を混ぜた試料にレーザーを照射することで、タンパク質のような高分子化合物までイオン化するというものです。島津製作所は、MALDI-MSを数多く開発してきました。「MALDImini-1」では、当社が独自で開発したデジタルイオントラップ技術※2の初採用により、世界最小のサイズと詳細な構造解析機能の搭載を実現しました。「より手軽に質量分析計を使いたい」「小型装置で生体分子の構造解析を手掛けたい」といった先進的な研究者の要望に応える装置です。

※1 分析対象成分をイオン化によって断片にするという過程を複数回(nは回数)繰り返す質量分析手法。
※2 従来法(正弦波RF)の代わりに矩形波RFを用いてイオントラップを駆動する技術。周波数の変調が容易になるため、高質量イオンの捕捉においても高電圧発生ユニットが不要になり、装置の小型化に寄与した。

新製品の特長

1. どこにでも置けるコンパクトサイズ

設置面積がA3サイズという卓上型なので、様々な機器が並ぶ手狭なラボにも導入できます。通常、MSは200ボルト電源を必要としますが、「MALDImini-1」は100ボルト電源でお使いいただけます。

2. 分析モードの簡単切換

専用ソフトウェア「MALDImini Console」が、「MS1」「MS/MS」「MS3」という測定パラメータの簡単な切り替えを可能にしました。試料をセットすればすぐに測定を始められます。

3. 多様な分析に応じた質量範囲

MS範囲の上限がm/z70000と広いため、タンパク質のような高分子の分析が可能です。MSn解析による構造解析は、糖鎖の修飾などの確認や配列解析に有効です。バイオ医薬品などの研究現場で活用されます。

名  称 MALDIデジタルイオントラップ型質量分析計「MALDImini-1」
価  格 3,000万円(税別)
販売目標 10台(国内外)

 

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