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2022年9月30日 | プレスリリース 当社子会社におけるX線装置の保守点検業務に関する不適切行為について

当社の子会社であり医用機器製品の販売・保守業務などを手掛ける島津メディカルシステムズ株式会社(代表取締役社長:三浦嘉章、本社所在地:大阪市。以下「島津MS」)において、医療機関様に設置したX線装置の保守点検業務に関する不適切行為(以下「本件」)が行われていたことが判明いたしました。
当社は、当社子会社における本件の発生を重く受け止め、今後このような事態を再び起こすことがないよう、事実関係を徹底究明するとともに、再発防止及び信頼の回復に全力で取り組んでまいります。
現時点で社内調査により判明しております本件の事実関係、並びに当社及び島津MSにおける今後の対応は、下記の通りです。
医療機関様、患者様をはじめとする関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。

 

1. 判明している事実関係

(1) 本件の概要

島津MS熊本営業所に所属するサービス技術者が、2016年から2018年にかけて、いずれも熊本県内の5件の医療機関様において、X線装置の保守点検の際に、X線装置のスタータ(装置からの電力供給回路)に市販の外付けタイマーを取り付け、一定期間経過後に意図的にスタータエラーを起こさせることにより、X線の照射がされないようにし、X線装置の故障であるかのように装って、X線装置の部品(X線管装置又はX線高電圧装置)の交換を有償で行っていたことが確認されました。

本件は、島津MSのサービス技術者が不適切な行為を行っているとの内部通報を受け、2022年5月16日より当社及び島津MSにおいて行った社内調査により判明したものです。

 

(2) 本件のX線装置の構造

本件のX線装置は、スタータから供給される電力によりX線管装置を稼働させるとともに、X線高電圧装置から供給される電力により熱電子が発せられることで、X線が照射されるように設計されています。スタータからの電力供給の停止が検知される(スタータエラー)と、X線高電圧装置から電力は供給されない仕組みとなっています。

 

(3) 外付けタイマーの取り付け

本件では、市販の外付けタイマーを、スタータからX線管装置への電力の供給回路の途中に設置し、タイマーで設定した時間の経過により、通電がOFFになるようにされていました。これにより、スタータエラーが発生し、X線高電圧装置から電力供給がされないこととなる結果、X線の照射ができなくなります。

2. 本件による健康被害等

上記1.の通り、本件は、スタータエラーを生じさせ、一時的に、X線を照射するための電力の供給がされないようにするものであり、X線装置の機械的な機能自体に影響を与えません。また、本件により、X線装置はX線の照射ができなくなりますので、患者様に過剰なX線が照射されるようなことはなく、X線装置の使用により患者様の生命・身体に影響を生じるものではありません。
また、本件の対象となった5件の医療機関様から、本件による健康被害等に関する報告は受けておりません。

3. 今後の対応

(1) 関係する医療機関様への対応

5件の医療機関様にお詫び申し上げるとともに、本件について個別にご報告しております。今後、有償交換による被害額の適切な補償等を行ってまいります。

 

(2) 外部調査委員会による調査

本件の判明を受け、当社らとしては、二度と同様の事案が生じることのないよう、徹底した調査と着実な再発防止策を立案・実施したいと考えております。そのため、2022年9月1日付で、外部の専門家から構成される外部調査委員会を設置し、客観的かつ網羅的な事実関係の調査、原因分析及び再発防止策の提言を委託しております。

外部調査委員会の構成

委員長:倉橋雄作(弁護士、中村・角田・松本法律事務所)
委 員:森寿明(弁護士、森寿明法律事務所)
委 員:西嶌宏之 (公認会計士、株式会社KPMG FAS)

 

(3) 今後の予定

当社及び島津MSは、外部調査委員会の調査に全面的に協力いたします。外部調査委員会による調査の結果明らかとなった事実関係等につきましては、速やかに公表するとともに、これを真摯に受け止め、信頼の回復に向けた抜本的な再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。