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2019年2月26日 | プレスリリース
世界最高レベルの高感度
化学発光硫黄検出システム「Nexis SCD-2030」を発売
島津製作所は、化学発光硫黄検出システム 「Nexis(ネクシス) SCD-2030」を発売します。本製品は、高性能ガスクロマトグラフ「Nexis GC-2030」および新たに開発した化学発光硫黄検出器「SCD-2030」で構成されています。「世界最高レベルの高感度」「飛躍的に向上した操作性、メンテナンス性」「高い安定性」を実現した「Nexis SCD-2030」発売によって、当社はSCD(化学発光硫黄検出器)市場へ本格的に参入します。2020年には国内外で石油化学業界中心に年間100台の販売を目指します。
化石燃料に含まれる硫黄成分は、大気汚染の原因となるだけではなく、化学反応に際して触媒の阻害要因にもなります。石油化学各社は燃料中の硫黄成分低減に努めており、数十ppb以下という低硫黄燃料の開発が進みました。燃料中の微量硫黄成分を正確に測定するには、高感度なSCD検出器が不可欠です。こうした背景のもと、SCD検出器の世界的な販売台数は今後も安定的に増えるとみられ、特に高感度な検出を得意とする機種の需要は高まっています。
当社は、2017年5月に世界最高性能を持つ次世代ガスクロマトグラフ「Nexis GC-2030」を発売しました。同製品をベースに、新規開発した化学発光硫黄検出器「SCD-2030」を組み合わせた化学発光硫黄検出システムが「Nexis SCD-2030」となります。微量の硫黄化合物測定は石油化学分野だけでなく、食品・飲料・香料、ガス、燃料電池などの分野の研究開発・品質管理など幅広い用途が想定されます。低濃度の硫黄成分分析における新しいソリューションを様々なユーザーに届けていきます。
新製品の特長
1. 世界最高レベルの感度
横置き方式のレドックスセル採用により、従来のSCD検出器と比較してセルから検出部にいたるフローパスを3分の1に短縮しています。不安定成分を高速でリアクションチャンバに導入でき、感度ロスを最小限にして、世界最高レベルの高感度分析が可能となりました。(従来当社で取り扱っていたSCDに比べて約3倍感度向上)
2. 飛躍的に向上した操作性、メンテナンス性
縦型のレドックスセルを内蔵する機種では、装置上部の消耗品(インナーパイロチューブ)に手が届きにくいため交換作業が煩雑でした。横置き方式の化学発光硫黄検出システム 「Nexis SCD-2030」では、インナーパイロチューブの交換は5分で済みます。通常、SCD検出器は一般的なGC検出器と比べて、制御作業が煩雑ですが、「Nexis SCD-2030」はガスや温度を自動で調整するため、ワンタッチで測定準備が完了します。分析データ処理システム「LabSolutions」と組み合わせれば、システムチェックから分析の開始・終了、装置の停止まで、全工程を自動化できます。作業の効率化を支援し、さらに操作ミスによる検出器の損傷や劣化を防ぎます。
3. 高い安定性
化学発光硫黄検出器の中核部品であるレドックスセルに業界で初めて横置き方式を選びました。反応領域と反応時間を十分に確保することで安定した酸化還元反応を実現します。他社のSCD検出器に比べて感度変動が少なく(24時間の感度変動は約1.6倍良好)、カラム流量など分析条件の違いによる影響も最小化しています。