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2021年12月1日 | プレスリリース 環境負荷を軽減したターボ分子ポンプの最新モデル
薄膜コーティング用途向けに「TMP-V4404LMW形」を発売

写真:ターボ分子ポンプ「TMP-V4404LMW形」

写真:ターボ分子ポンプ「TMP-V4404LMW形」

島津製作所は、2022年1月10日に真空蒸着装置※1やスパッタリング装置※2が用いられる薄膜コーティング用途向けのターボ分子ポンプ「TMP-V4404LMW形」を国内外で発売します。2015年発売の従来機種「TMP-XZ4304LM形」と比べて、排気速度を向上させることでより高品質な成膜が可能になりました。起動時間の短縮や防水性能・安全性、省資源につながる製品重量の軽減、消費電力の低減も実現しました。

薄膜コーティングとは、真空状態で薄い膜をガラスや金属、樹脂などの基板に付着させる加工技術です。スマートフォン・車載用の光学部品、太陽光発電パネル、建築物などに使われるローエミッションガラス(低放射伝熱性ガラス)などの製造工程で機能性・耐久性を持たせる目的で施します。当社は薄膜コーティング工程で真空を作り出す用途のターボ分子ポンプ(以下、TMP)市場で高いシェアを有しており、国内外の真空蒸着装置やスパッタリング装置のメーカーに多様なラインアップのTMP製品を販売しています。島津製作所は、経営理念『“人と地球の健康”への願いを実現する』に基づき、今後も環境に配慮したTMPの研究開発に従事してまいります。

  • ※1 真空中で成膜材料を加熱して、蒸発・昇華させ、金属表面に蒸発・昇華した粒子を付着させて薄膜を形成する装置
  • ※2 真空中で成膜材料にイオン化した不活性ガスを高速で衝突させて、成膜材料の粒子を弾き出し、金属表面に粒子を付着させて薄膜を形成する装置

新製品の特長

1. 消費電力を最大18%削減

本製品は消費電力を従来比18%削減(最大ガス流量排気時)して環境負荷を軽減します。またポンプ重量を115 kgから98 kgに軽量化し、ポンプの移動・搭載時の作業負荷を軽減します。

2. 使いやすさと成膜の品質を追求

従来機種では14分かかっていた起動時間を12分以下へ短縮し、生産性向上を支援します。また高い防水・防塵性を示すIP54規格にも適合し、様々な使用環境に対応します。

3. オイルフリーとメンテナンスフリーの「Wフリー」

TMPは高速回転するタービンによって、空気の分子を排出(排気)して真空状態を作り出します。本製品は薄膜コーティング専用モデルとして設計したタービンを磁力で浮かせる磁気軸受を採用しているため、静粛な駆動が特長です。この磁気軸受は潤滑油およびその補給が不要で、空間を清浄に保てます。金属の摩耗がないため長い製品寿命につながっています。オイルとメンテナンスの「Wフリー」が環境負荷やランニングコストを低減します。

名称 ターボ分子ポンプ「TMP-V4404LMW形」
定価 320万円~(税別)
販売目標 発売後1年間に国内外で500台

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