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2022年5月30日 | プレスリリース
AIで研究現場の働き方改革を支援
GC-MS/MS向けAIソフトウェア「Peakintelligence for GCMS」発売
「Peakintelligence for GCMS」画面イメージ
島津製作所は、5月30日にAI(人工知能)を用いて独自開発した新アルゴリズムを搭載する、トリプル四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS/MS)向けオプションソフトウェア「Peakintelligence for GCMS」を発売します。本ソフトウェアは、独自開発のAIアルゴリズムにより誰でも簡単にGC-MS/MS分析結果の解析が可能です。研究現場の作業負荷軽減、働き方改革に繋がります。
従来の解析作業には、「ピーク※1検出のための適切なパラメータ※2をユーザー自身が解析ごとに求める必要があり、手間がかかる」「作業者の主観によって採用するパラメータが異なるため、結果が属人的になる」といった課題がありました。またAIソフトウェアによる解析でも、十分な解析精度が得られない場合がありました。本ソフトウェアに搭載したAIアルゴリズムは、GC-MS/MSによるグラフ状の測定結果(クロマトグラム)に頻出するピークを高精度で自動的に検出します。ユーザーによるパラメータ設定不要で、微量成分を含むサンプルでも熟練作業者なみの解析精度を実現しています。ユーザーによるパラメータの最適化や手動修正といった作業負荷が約4分の1に軽減されるだけでなく、従事者によって採用パラメータや結果が異なるといった属人性を排除し、より標準化されたワークフローを実現します。研究現場の働き方改革を実現し、ユーザーはより創造的な業務に専念できます。
なお、本ソフトウェアは大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所が教師データの作成に加わっています。実際の研究で取得された生データを学習させることで、GC-MS/MSの特徴に対応した、最適なピーク検出を得ることができるようになりました。当社は今後もAI技術の研究開発を重ねて、当社製のあらゆる分析装置へのAIアルゴリズムの搭載を進めます。AI技術により幅広いユーザーの業務効率向上、働き方改革を支援してまいります。
新製品の特長
1. 作業時間を短縮し簡単に解析
GC-MS/MSから得られる膨大な分析結果を目視で確認・修正する解析作業には根気と集中力が必要で、大きな業務負担を生んでいます。「Peakintelligence for GCMS」では解析結果確認のみで足りるため、1サンプルあたりの解析作業時間を従来の約4分の1に短縮できます(1サンプルに475成分の化合物が含まれる場合)。本ソフトウェアはGC-MS/MSによる代謝物測定を支援するソフトウェア「Smart Metabolites Database Ver.2」※3の分析データを用いて評価を行いました(特許出願中)。今後は、膨大な分析結果解析が必要な細胞培養や残留農薬分析などの分野にも、応用分野を順次拡大していきます。
2. 低濃度サンプル対応
「Peakintelligence for GCMS」は、従来のアルゴリズムでは対応が難しかった複雑なクロマトグラムも正確にピーク検出可能です。アルゴリズムの変更によって、微量の化合物であっても検出ができようになりました(特許出願中)。
3. 熟練者並みの精度
「Peakintelligence for GCMS」では、熟練作業者による解析との一致率は90%以上を実現しました。AIを用いて開発したアルゴリズムが、研究現場の働き方改革を加速します。
※1 ピーク:分析機器で得られるクロマトグラム(グラフ状の測定結果)の山部分。その高さや面積が化合物の存在量を示す。
※2 パラメータ:ピークの始点と終点を検知するための条件。
※3 Smart Metabolites Database Ver.2:GC-MS/MSによる代謝物測定用ソフトウェア。データベースに登録された化合物から測定対象を選択するだけで、分析条件や手順が自動的に作成可能。
https://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/smartdb/metabolite.htm
価格 | 60万円(税別、ベースライセンスと3年間のバージョンアップ用ライセンスを含む。) |
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目標販売台数 | 発売後1年間で国内外合わせて10本 |