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2019年3月20日 | プレスリリース 「マルチオミクス解析パッケージ」および関連メソッドパッケージを発売
システム・バイオロジー研究機構、大阪大学と協業

「マルチオミクス解析パッケージ」(画面イメージ)
「マルチオミクス解析パッケージ」(画面イメージ)

 

島津製作所(本社:京都市 代表取締役社長:上田輝久)は、代謝工学の研究向けに「マルチオミクス解析パッケージ」を発売します。本パッケージを用いると、当社製質量分析計の計測データを、オープンプラットフォーム「Garuda」※1に取り込み、代謝マップ上に自動的にグラフとして表示できます。従来、数時間以上かかっていた作業を数分間に短縮できるため、研究者は煩雑な解析業務から解放されます。

当社のガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)や液体クロマトグラフ質量分析計(LCMS)で得られるプロテオミクス※2、メタボロミクス※3、フラックス解析※4のデータは、マルチオミクス※5研究に不可欠です。ただし、近年は機器の高機能化によって取得できるデータ量が膨大になり、時間と手間がかかる解析作業が研究のボトルネックになっていました。

「マルチオミクス解析パッケージ」は、オープンプラットフォーム「Garuda」上で稼働します。同プラットフォームでは、「ガジェット」と呼ばれる解析プログラムを用います。本パッケージは、「Garuda」対応の公開ガジェットと当社独自開発のガジェットから構成されています。当社製質量分析計で計測したデータを代謝マップ上にグラフ表示するガジェット群や、統計解析、相関解析などのツールを含みます。当社と特定非営利活動法人システム・バイオロジー研究機構(代表:北野宏明)、大阪大学情報科学研究科の松田史生教授は、2017年に「マルチオミクス解析パッケージ」無償版を共同で公開しています※6。本製品は、無償版のユーザーから寄せられたフィードバックを反映したものです。

また、「マルチオミクス解析パッケージ」発売と同時に「LC/MS/MSメソッドパッケージ 一次代謝物」(2014年8月発売)、「LC/MS/MSメソッドパッケージ 細胞培養プロファイリング」(2015年4月発売)をバージョンアップいたします。両パッケージの従来製品に「マルチオミクス解析パッケージ」を組み込むことで、前処理や分析条件の検討・分析パラメータの設定を省けて、なおかつ代謝マップの自動作成や統計解析などの後処理機能まで含むトータルソリューションを提供します。マルチオミクス研究に欠かせない定量分析において、前処理から解析までサポートする製品は他になく有力なツールになります。

島津製作所は、「LCMS-8060」「LCMS-8050」「LCMS-9030」といったハードウェア群および様々な分析に応じたメソッドパッケージといったソフトウェア群の提供を通じて、研究の発展に貢献していきます。2020年度には国内外でマルチオミクス解析パッケージ関連の売上高10億円を目指します。

 

※1 特定非営利活動法人システム・バイオロジー研究機構を中心としたGaruda Allianceが2010年から提供。ソフトウェア間のシームレスなデータ転送が確保されており、代謝工学分野の研究者がデータ取得から解析までのワークフローを自由に組み立てられるオープンプラットフォーム
※2 タンパク質の構造と機能を網羅的に取り扱う研究
※3 細胞の活動で生じる代謝物を網羅的に取り扱う研究
※4 1つの代謝物の量を、生産量と消費量の2つの差として精密に追跡する手法
※5 遺伝子やタンパク質、代謝物などの物質の変化を統合的に解析し、ヒトや細胞など生命の活動を解明するライフサイエンスの最先端研究。創薬や診断、バイオ燃料など様々な研究用途が見込まれており、分析する対象によってプロテオミクス、メタボロミクス、フラックス解析などに分かれる
※6 本パッケージは、「大阪大学・島津分析イノベーション共同研究講座」(2014年12月設置)や大阪大学情報科学研究科、システムバイオロジー研究機構による共同研究の成果

製品名:「マルチオミクス解析パッケージ」
価格:50万円(税別、日英中共通)

製品名:「LC/MS/MSメソッドパッケージ 一次代謝物」
価格:120万円(税別、日英共通)

製品名:「LC/MS/MSメソッドパッケージ 細胞培養プロファイリング」
価格:120万円(税別、日英共通)