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2019年9月4日 | プレスリリース 未知成分の分子量情報の取得に新手法を提案
GC/MSで化合物の構造解析をする「SMCIシステム」発売

SMCIシステム

島津製作所は、9月4日に質量分析技術で化合物の構造を解析する「SMCIシステム」を発売します。化合物の構造解析に分子量情報は欠かせません。通常、その取得にはガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)による化学イオン化法(CI法)が用いられますが、CI法は可燃性ガスを必要とします。当社独自の新技術「SMCI法」(Solvent Mediated Chemical Ionization)は、可燃性ガスに代わり、比較的安価で取り扱いやすい有機溶媒を使ってCI法と同等の分子量情報を得ることができるため、分析時の安全性を高めるとももにランニングコストの削減まで可能としました。さらに、化合物によっては構造解析情報まで取得できます。

SMCI法は、米国子会社SHIMADZU SCIENTIFIC INSTRUMENTS,INCが「SSIイノベーションセンター」で開発した当社独自の新技術です。同センターは、テキサス大学オースティン校のトーマス・ブレンナ教授と共同で「SMCI法を用いた不飽和脂肪酸の構造解析ワークフロー」を開発しました。不飽和脂肪酸は、トランス脂肪酸や機能性油脂を構成するため、その解析は食品や化学製品の研究開発や品質管理で重要な役割を果たします。

「SMCIシステム」は、当社製「GCMS NXシリーズ」シリーズと「SMCIユニット」から構成されています。また、既設の「GCMS NXシリーズ」に「SMCIユニット」を取り付けることが可能です。なお、本製品は9月4日開催のJASIS2019に出展いたします。

新製品の特長

1. 多様な化合物情報を提供

SMCI法は、分子量情報だけでなく化合物によっては構造解析情報が得られます。「SMCI法を用いた不飽和脂肪酸の構造解析ワークフロー」は、食品や化学製品の研究開発や品質管理に有効です。

2. ランニングコストを低減

可燃性ガスに替わって比較的安価なメタノールやアセトニトリルを利用するため、分析作業のランニングコストを従来比80%※に削減できます。
※当社比

3. 安全性向上に寄与

従来のCI法では、高圧ガスボンベで管理するイソブタンやメタンといった可燃性ガスおよびアンモニアを用います。一方、SMCI法では一般的な有機溶媒であるメタノールやアセトニトリルを使いながらも、CI法と同等の分子量情報が得られます。可燃性ガスが不要になるため、作業時の安全性が高まります。

名  称 「SMCIシステム」
価  格 2,600万円~(税別、GCMS NXシリーズ込み)、
290万円~(税別、SMCIユニットのみ)
販売計画 発売から1年間で300台(SMCIシステムを含む定性分析システム全般)

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