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2021年2月25日 | プレスリリース 当社製PCR検査試薬で下水中の新型コロナウイルスを効率的に検出
島津テクノリサーチが下水PCR検査サービスを開始

島津製作所の受託分析子会社の島津テクノリサーチ(京都市)は、2月25日に下水処理場の下水に含まれる新型コロナウイルスのPCR検査の受託事業を開始いたしました。

新型コロナウイルス感染者の糞便には発症前からウイルスが存在します。そのため下水処理場に流入する下水のPCR検査結果から感染流行の兆しのある地域を特定できる可能性があります。また、唾液・鼻咽頭拭い液などの検査で陰性となった後も約20日は糞便にウイルスが含まれると指摘されており、継続的な検査は感染収束の見極めにも有効です。

しかし、下水に排出されたウイルスは極微量であり、また下水中の様々な物質がPCRを阻害するので検出が困難でした。島津テクノリサーチは、京都大学の田中宏明教授、井原賢助教、金沢大学の本多了准教授、富山県立大学の端昭彦講師の技術指導を受けて、下水中の新型コロナウイルスの検出について検討してきました。その結果、「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル(暫定版)」に従って、下水処理場の流入下水や最初沈殿池流出水をポリエチレングリコール沈殿法(PEG沈殿法)で濃縮した試料から、当社製「新型コロナウイルス検出試薬キット」(研究用試薬)を使用し、新型コロナウイルス検出が可能であることを確認しました。

島津製作所は昨年から、PCR検査の煩雑な前処理工程を省ける「新型コロナウイルス検出試薬キット」(研究用試薬)、「Ampdirect2019-nCoV検出キット」(体外診断用医薬品)、「新型コロナウイルス拭取り検査試薬キット」(研究用試薬)、クリニック向けにPCR検査を全自動で行う「遺伝子解析装置 AutoAmp」を製造・販売しています。島津テクノリサーチは、京都市の臨時衛生検査所として登録されており、PCR検査事業に取り組んでいます。島津グループは、今後も様々な製品・技術・サービスを通じて新型コロナウイルスの感染拡大防止、安全・衛生管理の向上に尽力してまいります。

※ 下水処理場に流入した後にゴミや泥が沈んだ後に越流した下水

 

注意:島津テクノリサーチおよび島津製作所は医療機関ではございません。検体の採取を含む一切の診療行為を行っていません。

 

島津テクノリサーチの関連ページ
https://www.shimadzu-techno.co.jp/annai/k08.html