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2019年4月22日 | プレスリリース 細胞培地分析用の自動前処理装置「C2MAP-2030」を発売
ラボ環境に合わせた柔軟な運用を実現

自動前処理装置「C2MAP(シーツーマップ)-2030」

自動前処理装置「C2MAP(シーツーマップ)-2030」

 
自動前処理装置「C2MAP-2030」と当社製LC/MS/MSを組み合わせた「C2MAPシステム」

自動前処理装置「C2MAP-2030」と当社製LC/MS/MSを
組み合わせた「C2MAPシステム」

 

島津製作所は、細胞培地分析用の自動前処理装置「C2MAP(シーツーマップ)-2030」を4月22日に発売します。 本製品は、細胞培地の成分を高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)で一斉分析する際の前処理工程を自動化した装置です。2017年発売の前身機種「C2MAP-2000」に様々な改良を施して、作業者の利便性向上やランニングコスト低減につなげました。

自動前処理装置「C2MAP-2030」と当社製LC/MS/MSを組み合わせた「C2MAPシステム」は、最大95種の培養上清の成分分析において、サンプルの前処理からLC/MS/MSでの測定まで人手を介さずに実行します。これにより作業者の技量に依存せずに高品質で再現性の高い測定データの取得を容易にしました。培養上清のサンプルと試薬、ろ過・回収容器をセットするだけでシームレスに測定できるので、夜間や休日の無人稼働が可能です。また全工程を同一のIDでサンプルを管理できるため、取り違えリスクの軽減やトレーサビリティーの確保を実現します。付属のソフトウェア「C2MAP-TRENDS」は、得られた測定データを読み込み、各成分の経時変化をグラフで表示します。

抗体医薬製造に用いられる細胞の培養条件最適化のために、培地成分の消費や老廃物(分泌代謝物)の経時変化をモニタリングする重要性が高まっています。細胞治療/再生医療分野でも、細胞にダメージを与えずに細胞の培養状態を評価する手段として、LC/MS/MSを用いた培地の成分分析は注目を集めています。ただし、細胞培養に関わる研究者の多くは、LC/MS/MSの操作に慣れていません。島津製作所は、LC/MS/MS分析を容易にする自動前処理装置「C2MAP-2030」の提供によって細胞培養工程の最適化や管理などの業務効率化に貢献していきます。

※培養液中の浮遊細胞や死細胞を除いた培養液

新製品の特長

1. LC/MS/MSに連結せず使用可

前身機種「C2MAP-2000」は、LC/MS/MSに連結して稼働させる仕様になっていました。そのため、LC/MS/MSを設置している部屋に装置を置くスペースが必要でした。この度発売する「C2MAP-2030」は、前処理に必要なユニット(C2MAP前処理モジュール)のみでの稼働も可能です。LC/MS/MSと連結させずにC2MAP前処理モジュールを培養室に設置しての運用が可能です。またLC/MS/MSは分析室などに設置することで、培地分析以外の目的にもご使用いただけます。

2. 小容量のサンプルに対応

従来は1回の分析に400~500μℓ(マイクロリットル)のサンプルが必要でしたが、オプションの専用ラックと小容量バイアルを使えば、100μℓで成分分析が可能になります。モニタリング用のサンプルを十分に確保できない小規模な実験培養に対応します。

3. 複数種の培地一括処理

培地種によって異なっていた前処理条件を1つに統一しました。ユーザーは条件を検討する必要がなくなり、一度の分析で複数の培地種をまとめて調べられます。

4. ランニングコストを低減

専用ろ過容器の量産化により、1サンプル当たりのランニングコストを500円から340円に下げました(カラム1000回使用で試算)。

名  称 細胞培地分析自動前処理装置「C2MAP-2030」
価  格 1,640万円(税別)
販売目標 国内外で8台(発売後1年間)

 

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