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2022年3月18日 | プレスリリース
高性能かつユーザビリティを高めた新モデル
フーリエ変換赤外分光光度計「IRXross」を発売
製品写真:フーリエ変換赤外分光光度計「IRXross」
島津製作所は、3月18日に新モデルであるフーリエ変換赤外分光光度計「IRXross(アイアール・クロス)」を国内外で発売します。本製品は、現行機種「IRAffinity-1S(アイアール・アフィニティーワンエス)」と比較して約2倍の感度・分解能を実現し、経験の浅いユーザーでも操作が可能な分析ナビゲートプログラム「IR Pilot(アイアール・パイロット)」を搭載するなどユーザビリティも向上しました。
フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)は、高分子材料や有機物の分析に適しており、どのような物質が含まれているかを簡単に測定できるため、製薬市場や化学工業市場を中心に研究開発や品質検査用途などで幅広く使われています。当社は、ハイエンドモデル「IRTracer-100(アイアール・トレーサー)」、スタンダードモデル「IRAffinity-1S」、コンパクトモデル「IRSpirit(アイアール・スピリット)」と、研究開発から品質検査、異物分析まで、目的に応じた幅広いラインナップの装置を有しています。
本製品は、FTIRの主要市場である製薬や化学工業分野での需要に合わせて、高い性能と簡易な操作性の両立を実現しました。機種選択において特に重視される指標である感度は、クラス最高のS/N比55,000:1を実現しました。製薬分野で求められるデータインテグリティ(データの完全性)に関する規制にも対応できます。一方、コンパクトモデル「IRSpirit」に搭載し好評を得ている標準ソフトウェア「IR Pilot」を本製品にも標準搭載したことで、ユーザーに高い分析習熟度が無くても簡単に正確な測定結果が得られます。
当社は、今後も更にFTIRのラインナップを充実させ、従来の分野だけでなく、新素材、バイオ医薬など、様々な分野の研究開発・品質管理に貢献してまいります。
製品写真:分析ナビゲートプログラム「IR Pilot」画面イメージ図
新製品の特長
1. クラス最高レベルの優れた性能 -S/N比55,000:1、最高分解能2倍-
感度、分解能、分析速度のいずれも現行機種「IRAffinity-1S」と比較して大幅に性能が向上しました。特に昨今問題視されている異物混入などの分析において最も重視される指標である感度は、S/N比55,000:1と「IRAffinity-1S」比1.8倍に向上し、クラス最高の感度を有しています。最高分解能は同2倍となり、近接した光の各成分を正確に分離して表示できるようになりました。
2. 高速測定を実現
オプションの「ラピッドスキャンソフトウェア」を使用すれば、一秒間に取得できるデータ数は「IRAffinity-1S」比20倍となり、分析時間を20分の1に短縮しつつ質の高いデータが得られます。
3. 登録プログラムの選択ですぐに分析
クリックのみで測定から測定結果の印刷まで可能な、分析ナビゲートプログラム「IR Pilot」を標準搭載しました。あらかじめ登録されている23種類の分析プログラムから、確認試験や異物解析など目的に応じたものを選択するだけですぐに分析可能です。分析時に必要な条件設定が一切不要となり、分析の効率化・省力化が可能となります。
4. 安心のデータインテグリティ規制対応
本製品は医薬品市場において必要とされるデータインテグリティの規制に対応しています。ユーザーアカウントに対して、パスワード長やパスワードの有効日数などを設定でき高いセキュリティレベルでシステムを運用できます。分析データだけでなくメタデータ※も含めたすべての情報を強固に管理することで、想定と異なる装置使用がされていないかどうか確認が容易になり、ファイル削除やデータ改ざんを未然に防止することが可能です。
価格 | 343.5万円~(税別) |
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目標販売台数 | 発売後1年間で国内外合わせて600台 |