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2019年1月11日 | プレスリリース 効率化・省スペース・多検体処理を実現する
分取精製LCシステム「Nexera Prep」シリーズを発売

分取精製LC(液体クロマトグラフ)システム
「Nexera Prep(ネクセラ プレップ)」

 

リキッドハンドラー「LH-40」

リキッドハンドラー「LH-40」

フラクションコレクター「FRC-40」

フラクションコレクター「FRC-40」

島津製作所は、分取精製LC(液体クロマトグラフ)システム「Nexera Prep(ネクセラ プレップ)」シリーズを発売いたします。試料から特定の物質を分離・精製する「分取」は、製薬では創薬における目的化合物や不純物の抽出、化学・食品では機能性成分の抽出に不可欠な工程です。本製品は、LCやLCMS(液体クロマトグラフ質量分析計)による分取の効率化や柔軟な拡張性を実現することで、業務生産性の飛躍的な向上につなげます。

分取精製LCシステム「Nexera Prep」シリーズは、LCを中核とする複数の関連製品からなります。ユーザーには、ポンプやオートサンプラ・検出器といった製品を組み合わせて、分取の目的に応じたシステムを構成していただきます。今回は、リキッドハンドラー「LH-40」やフラクションコレクター「FRC-40」、分析・分取LCカラム「Shim-pack Scepter」、カラムハブ「Column Hub」といった関連製品を併せて発売することで、柔軟なシステム構成を可能にしました。

分取精製は、①精製量または注入量を考慮して分取カラムのサイズを選択し、システム構成を決定、②目的に合わせてフラクションコレクターと容器サイズを選択、③分析スケールで分離条件を検討、④分取条件を最適化、⑤純度を確認、という流れが一般的です。一連の業務には知識や経験が求められ、多大な労力と作業時間も要します。さらに精製後に塩の除去や溶液の乾燥が必要な場合があり、作業負担となっていました。

「Nexera Prep」シリーズは、同時発売のソフトウェアによるシミュレーション機能で条件検討の時間を削減するとともに、幅広いサイズをカバーするカラムバリエーションが分析から分取への移行作業を簡便・迅速化しました。さらに当社独自の高純度精製処理システム「UFPLC」で、脱塩された目的成分を有機溶媒で溶出することで粉末化の時間も短縮します。本製品は、「脱塩・粉末化の効率化」「多検体・多フラクション」「低コストで高分離」「純度確認」といったユーザーからの要望に対応しました。具体的には下記のような用途が考えられます。

  • 免疫抑制剤の濃縮と高純度精製
  • 医薬品分解物の不純物分取
  • 天然物からの機能性成分の分離精製
  • 高分子とその添加剤の分離精製と純度確認のための連続分析

島津製作所は、2019年に「Nexera Prep」シリーズについて国内外で企業や研究機関、大学向けに700台/55億円の売り上げを目指します。

新製品の特長

1. 検討時間を1/4に短縮

分析専用ソフトウェア「LabSolutions」の分取シミュレーション機能と、スケーラビリティに優れた分析・分取LCカラム「Shim-pack Scepter」が、分取条件の検討に費やす時間を約1/4に削減します。またリキッドハンドラー「LH-40」は、フラクションコレクターとしての用途以外に液面検知機能(オプション)を搭載した大量注入オートサンプラとしても利用できるほか、分画後のフラクションの再注入(オプション)によるシームレスな純度確認も可能にします。その他、注入後にエラーが発生した場合、試料をシステム内から回収する「サンプルレスキュー」や、目的ピークだけを自動で取り出すといった機能や、最大4チャンネルの検出器信号を用いた高純度分取精製などで業務効率化を支援します。

どのサイズのカラムにおいても同一のクロマトグラム(分析結果を表す波状のグラフ)が得られる性能

2. 高純度精製処理システム「UFPLC」

構造解析や保存にはサンプルが濃縮された溶液もしくは乾燥した粉末の状態であることが必要です。溶液が水を含む場合、乾燥・濃縮に時間を要します。またトリフルオロ酢酸などの塩が添加されていた場合は、乾燥させた化合物結晶に塩が残存して純度が低下し、薬物動態試験などに影響を与えます。当社独自の高純度精製処理システム「UFPLC」は、分取カラムで分離された目的化合物を含む溶液をトラップカラムに導入します。さらに濃縮して、塩を洗い流した後に有機溶媒で溶出させることにより、分画溶液から塩や水を排除します。これにより乾燥に要する時間を従来比で最大1/16に短縮し、純度の高い化合物を提供します。

3. 柔軟なシステム拡張性

「LH-40」「FRC-40」ともに、設置面積が他社製品の半分という省スペース設計を実現しました。回収量に応じた形状、サイズの容器に対応するとともに、最大6台を連結して最大3240本の10 mm径試験管が設置できます。また、今回新たにラインナップに加わる「Column Hub」はカラムを最大6本、流路切替バルブを最大4台まで搭載でき、多彩なシステムをコンパクトに構成できます。

 

名  称 分取精製LCシステム 「Nexera Prep」
リキッドハンドラー 「LH-40」
フラクションコレクター 「FRC-40」
カラムハブ 「Column Hub」
分析・分取LCカラム 「Shim-pack Scepter」
価  格 Nexera Prep 1,245万円~(標準システム構成、ワークステーション込、税別)
LH-40 350万円~(装置のみ、税別)
FRC-40 160万円~(装置のみ、税別)
カラムハブ 55万円~(装置のみ、税別)

 

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