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2022年4月18日 | プレスリリース 時間と場所を問わないラボのモニタリングを実現
試験機遠隔監視システム「TRAPEZIUM SATELLITE」を発売

島津製作所は、4月18日に試験機遠隔監視システム「TRAPEZIUM SATELLITE(トラぺジウム・サテライト)」を国内で先行発売します。本製品は監視用端末とUSBカメラ、ソフトウェアで構成された、疲労試験機の稼働状況をウェブブラウザで遠隔監視するシステムです。試験室から離れた場所で装置の稼働状況が確認でき、試験業務の効率化・作業負荷軽減につながります。万一、試験に異常があった場合もすぐに発見でき、過去の画像データをさかのぼって確認できるため、より信頼性の高い試験結果が得られます。

疲労試験機は、鉄鋼・化学・輸送機器業界の研究開発・品質保証部門で、新素材や部品の強度・耐久性の確認に使われます。一般的な疲労試験では、10万回から1000万回の繰り返し負荷を与えて強度を調べます。疲労試験機は、振動や稼働音の観点から居室とは別の試験室に設置されることがほとんどです。また、1回あたりの試験に通常数日から2週間程度かかるため、いったん試験を開始するとユーザーは試験室を離れて他の業務を行う時間が多くなります。そのため「状況把握のために都度試験室に出向く必要があり手間がかかる」「異常発生に気づくまで数日間かかる場合があり、何が起きたか確認しづらい」などの問題がありました。

「TRAPEZIUM SATELLITE」システム構成例 (オンプレミス版にAI機能付き監視端末オプションを付加した場合)

「TRAPEZIUM SATELLITE」システム構成例
(オンプレミス版にAI機能付き監視端末オプションを付加した場合)

 

本製品は、疲労試験機から取得した稼働状況データやUSBカメラによる装置画像を確認することで、遠隔地からでも試験状況が把握可能です。カメラ画像を時系列で保存したり、異常発生時にメール通知を受け取ったりもできます。異常を素早く察知し、試験の様子を過去にさかのぼって確認することで正常な稼働状態に素早く復帰させられます。また、旧型の疲労試験機や付帯設備でも、USBカメラによる画像上のランプのON/OFFおよび数値表示計をAI画像解析で状態判定できるため、試験状況の監視が可能です。監視中の装置はソフトウェア上で一覧表示されるため、試験室の状況が一見して把握できます。

当社は本製品で、疲労試験機による試験業務の効率化、作業負荷軽減をすすめ、ユーザーによる質の高い試験業務遂行に貢献します。新素材・新技術開発を、試験業務の側面から支援していきます。

新製品の特長

1. 試験室内の様々なデータを遠隔地でも入手可能

最大180台までのカメラを接続し、複数台装置の全体像、試験中のサンプルや付帯設備の状況を閲覧できます。疲労試験機の制御装置から、稼働状況を示すデータを直接取得し、リアルタイムの数値だけでなく、変動も把握できます。装置の動画は状態変化があると自動的に保存され、試験の様子を振り返ることができます。最新の試験結果やUSBカメラの動画はダウンロードして手元のPCで確認できます。装置状況の把握に時間と場所を選びません。*1

  • *1 閲覧できる内容は設置場所のネットワーク環境に依存します。

2. AI監視機能であらゆる装置の稼働状況を把握

オプションのAI用監視端末とAI用カメラを用いることで、ランプなどの表示灯や数値表示計のカメラ画像から、AI画像解析により稼働状況をデータ化します。旧式装置や他社装置の稼働状況も把握できます。

3. 複数装置の稼働状況を一覧表示

装置の状況が一括表示でき、個々の装置の前まで行かなくても試験室の状態が一目でわかります。また、期間を指定して稼働履歴のダウンロードが可能です。稼働状況別に集計できるため稼働率の計算が簡単に行えます。

  • *2 本プレスリリースに記載された内容は、オプション品を含めたシステム構成の機能です。
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製品写真:「TRAPEZIUM SATELLITE」ソフトウェア画面イメージ

価格 132万円~(税別)
目標販売台数 発売後1年間で国内外合わせて20台

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