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2021年2月16日 | プレスリリース 走査型プローブ顕微鏡「SPM-Nanoa」を発売
高い操作性と高速処理を実現、光学調整・観察条件設定を自動化

SPM-Nanoa(本体のみ)

SPM-Nanoa(本体のみ)

島津製作所は2月16日に走査型プローブ顕微鏡「SPM-Nanoa」を国内外で発売いたします。本製品は、高感度・低ノイズの検出光学機構の採用によって高分解能観察を実現しつつ、光学調整と観察条件設定の作業を自動化しました。走査型プローブ顕微鏡(SPM=Scanning Probe Microscope)の中級機種として最先端のナノ材料の評価・研究に貢献していきます。

走査型プローブ顕微鏡は、先端が10nm(ナノメートル)程度の探針(プローブ)を試料に近づけて、試料と探針間の力学的・電磁気的な相互作用力を検出しながら走査し、試料表面の三次元形状や物性情報を取得します。電子線を使う電子顕微鏡は真空中での観察が必要ですが、SPMは大気中や溶液中で利用できます。

走査型プローブ顕微鏡は、高分子材料や電池材料、ナノ材料などの形状観察や物性評価に利用でき、ナノテクノロジー・ナノサイエンスにおける多様な課題に対応が可能です。ただし、従来の装置ではユーザーが行う光学調整や観察条件設定に経験や専門知識が必要でした。「SPM-Nanoa」ではこれらの作業を自動化することで、操作に慣れていないユーザーでも簡単に高分解能の観察データを取得できます。

 

SPM-Nanoa(制御部およびPC込み)

SPM-Nanoa(制御部およびPC込み)

新製品の特長

1. 誰でも簡単に高分解能観察

操作に慣れが必要な光学調整や観察条件設定を大気中と液中で自動化しました。新搭載の「簡易モード」は、プローブのセットから自動の光軸調整、試料のセット、独自アルゴリズムによる観察条件の設定、取得画像の自動補正という全工程に改良・自動化を盛り込んでいます。

2. 最上位機種の光学機構を採用

最上位機種「SPM-8100FM」の検出光学機構を採用することで、高感度・低ノイズの信号検出を実現しました。この結果、より小さな相互作用力を検出でき、ゲル状のやわらかい試料の観察が容易になりました。また、液中での探針の複雑な応答を正確に検出・制御できるようになり、液中観察を自動化しました。広域観察時でも高い分解能を維持できるように、8K画像(8192×8192画素)まで対応しています。また、従来は別々だった光学顕微鏡とSPMの機構が一体となっているため、振動の影響を受けにくく、安定した光学顕微鏡観察によるターゲット探しが可能です。

3. データ取得までの時間が6分の1以下に

上記2の各種機構の改良によって、SPM観察の準備からデータ取得まで従来30分程度を要していましたが、「SPM-Nanoa」では5分で完了します。また、従来4時間以上かかっていた弾性率分布の測定も、専用ソフトウェア「ナノ3DマッピングFast」(オプション)を利用すれば約20分で済みます。

 

光学顕微鏡からSPMまで鮮明にとらえる

製品名 走査型プローブ顕微鏡「SPM-Nanoa」
価格 2100万円(税別)
販売目標 発売後1年間で50台(国内外含む)

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