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2020年8月19日 | プレスリリース 島津製作所、花王、協同乳業、山口大学、山口市、山口県が協業
高齢者の健康づくり等をテーマにした地域コホート研究で提携
山口大学医学部に連携講座設置

株式会社島津製作所(社長:上田輝久)は、8月19日に花王株式会社(社長:澤田道隆)、協同乳業株式会社(社長:後藤正純)、山口県(知事:村岡嗣政)、山口市(市長:渡辺純忠)、国立大学法人山口大学(学長:岡正朗)と6者で、高齢者の健康づくり等をテーマとした地域コホート連携に関する合意書を締結するとともに、山口大学医学部に当該研究に取り組む社会連携講座を設立いたします。

本連携において山口県、山口市および山口大学が同大学に高齢者の健康づくり等をテーマにした地域コホート研究講座を設置し、運営いたします。山口大学、花王、協同乳業および島津製作所は、高齢者の介護予防、加齢に伴う認知機能・移動機能などの低下予防に対する生活習慣や腸内フローラの関係性についての検証等をテーマとした山口県における地域コホート研究を実施します。

2019年10月時点の山口県の高齢化率(総人口に占める65歳以上の比率)は34.3%であり、全国平均の28.4%を上回っています(全国第3位)。この高齢化に伴う課題に対応するため、島津製作所と山口県、山口市、山口大学の4者は2018年12月に健康づくり等をテーマとした技術連携に関する基本合意書を締結し、協議を進めてきました。

島津製作所は、クロマトグラフや質量分析計など、血液や食品などに含まれる多成分を高感度に検出する高度な技術・製品を有しています。認知症に関しては血液から高い精度のアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法開発の実績があります。花王は、血中のキラルアミノ酸を迅速・高感度に一斉解析する技術を有しており、認知機能の変化を評価する指標として、血中に微量しか存在しないD-アミノ酸が有用であることを発表しています。協同乳業は、腸内細菌叢の代謝産物解析を利用した機能性食品を開発しており、腸内細菌叢により産生されるポリアミンが老化抑制物質であることを見出しています。

島津製作所は、山口県と山口市における各関係機関との連携や住民モニターの協力と山口大学、花王、協同乳業の知見や技術を組み合わせることにより、運動や食事などによる認知機能低下の予防とその効果計測に関する実証事業を行います。今後この取り組みを発展させた健康管理の仕組みを国内外に広げてまいります。

高齢者の健康づくり等をテーマとした地域コホート研究講座

【設置日】   令和2年8月19日
【担当教員】   山口大学大学院 医学系研究科 公衆衛生学・予防医学講座
田邉剛教授、長谷亮佑講師
【研究内容】   高齢者の介護予防、加齢性疾患の抑制効果
生活習慣病と腸内フローラとの関連性についての検証
【実証期間】   令和2年8月19日~令和5年3月31日(約2年8カ月)
【実証場所】   山口市阿知須地域