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2025年9月3日 | プレスリリース 医薬品・食品などの品質検査における分析データの異常を自動で検知
異常ピーク検知支援ソフトウェア 「LabSolutions Detect」を発売

島津製作所は、9月3日に液体クロマトグラフ(LC)用異常ピーク検知支援ソフトウェア「LabSolutions Detect」を発売します。本ソフトウェアは医薬品や食品などの品質検査において「LCによる分析データ」と「あらかじめ登録した正解データ」を照合して、不純物の混入といった異常を迅速に検出します。昨今、安全性への意識が高まっており、「有効成分が十分に含まれているか」だけでなく、不純物の存在が疑われる異常なピーク※1の有無も調べています。しかし、担当者がすべての分析データを目視で最終確認しており、業務負荷が大きく、人為的なミスも起こりがちでした。本製品はデータ確認を自動化することで、異常の見落としをなくして安全性の水準を向上させます。

画面写真:異常ピーク検知支援ソフトウェア「LabSolutions Detect」

画面写真:異常ピーク検知支援ソフトウェア「LabSolutions Detect」
※ 不純物ピークの検出や規定成分含量の不足・超過が発生すると赤く表示されます。

 「LabSolutions Detect」では、まず対象の化合物に含まれていなければならない成分の種類や量を示すピークについて正解となるデータと基準値を登録します。これらを基に「必要な成分が適量含まれているか」と「未知の不純物が入っていないか」といった判断を支援します。クロマトグラム(波形の測定結果)を重ね合わせて視覚的に確認したり、類似するピークを自動的に照合したりすることで、大量のデータから異常なピークやデータを迅速に検出します。来年9月から機能性表示食品のうち天然抽出物などを原材料とするサプリメントのGMP(適正製造規範)に基づく製造・品質管理の遵守義務化が実施されるなど、食の安全・安心に関する関心は高くなっています。島津製作所は、最新の装置・ソフトウェア技術で医薬品や食品の安全性を確保しつつ、ラボ業務の効率化・省力化の両立を支援していきます。

新製品の特長

1. 保持時間を自動補正し、クロマトグラムを簡単に比較

本ソフトウェアは、サンプルのロット・装置など様々な要因で変動するクロマトグラムをアライメント(保持時間※2の自動補正)し、重ね書きすることで、複数サンプル間の差分を一目で確認できます。誤差の範囲なのかを判定するため、異常値を容易に検出できます。

2. 類似ピークの自動照合で不純物を瞬時に検出

LCによる品質管理では、管理対象ではない不純物のピークが検出された場合、そのピークがどのサンプルで検出されているのかについて複数のデータを目視で確認する必要があります。本ソフトウェアは、目視の照合工程をクラスタリング(類似ピークのグループ分け)機能で自動化し、各データに共通する不純物を瞬時に検出します。

3. ワンクリックで差分の解析結果を出力

差分を解析した結果は、複雑な設定なしでレポート出力します。解析結果はデータベースで安全に一元管理できます。

  • ※1:分析機器で得られるクロマトグラム(波形の測定結果)の山部分。高さや面積が化合物の存在量を示す
  • ※2:試料をカラムに注入してから特定の成分が検出されるまでの時間。クロマトグラムの横軸。
製品名 異常ピーク検知支援ソフトウェア「LabSolutions Detect」
希望販売価格 145万円(初年度パック、税込み)~
販売目標 発売後1年間で30パック(国内外)

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