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2025年9月2日 | プレスリリース
最小限のサンプルで高速かつ信頼性の高いガス分析を実現
ガスクロマトグラフ「FluxEdge GCシステム」を発売
製品写真:FluxEdge GCシステム
島津製作所は、9月2日に当社独自開発の微量ガスのサンプリング機構「FluxEdge」を搭載した「FluxEdge(フラックスエッジ) GCシステム」を発売します。当社の最新ガスクロマトグラフ(GC)に搭載でき、最小量のサンプルだけで高速かつ信頼性の高いガス分析を実現しました。本製品は、9月3日より幕張メッセで開催されるアジア最大級の分析機器・科学機器の展示会「JASIS2025」に展示する予定です。
近年、カーボンニュートラルやネットゼロ社会の実現に向けて、世界で様々な技術の社会実装が進んでいます。より環境負荷の低い新たなエネルギーやマテリアルの研究開発においては、微量発生ガスや反応ガスの組成変化をモニタリングするために、高速で高精度な分析性能および耐久性を持った装置が求められています。
「FluxEdge」は、半導体製造で用いられる微細加工技術と不活性処理技術を基に開発された微量ガスのサンプリング機構です。微小体積かつ不活性に設計された7mm四方のダイアフラム構造のマイクロバルブが搭載されており、当社のガスクロマトグラフ「Nexis GC-2030」もしくは「Brevis GC-2050」に取り付けることで、微量サンプリングと高速分析、高い耐久性を実現しました。脱炭素研究における触媒研究や人工光合成など反応化合物をモニタリングする場合において、微量ガスサンプルを連続的かつ迅速に分析し、ラボの生産性を高めます。今後もFluxEdgeの改良を続けるとともにアプリケーションを拡充し、食品安全や環境成分分析など幅広い分野での分析ニーズに対応していきます。
島津製作所は、中期経営計画でグリーン領域やヘルスケア領域を社会価値創生領域としているほか、プラネタリーヘルス(人と地球の健康)の追求を掲げています。本製品を通じて、環境やライフサイエンスなどの研究開発・品質管理に貢献してまいります。
新製品の特長
1. 最小限のサンプルで、高い信頼性
人工光合成・触媒など反応化合物をモニタリングする際、FluxEdgeは連続的かつ迅速に分析結果を提供しラボの生産性を高めます。また、従来はGCで無機ガスを分析する際に100 mℓ以上のサンプルを必要とする場合がありましたが、本製品は数mℓという少量で分析できるうえに分析時間を約3分の1に短縮しました。
2. 比類のない分析性能と耐久性
本製品の流路切り替えに採用されているマイクロバルブは、半導体製造で使われる微細加工技術を応用した当社独自の部品です。流路が不活性かつ最小に設計されているため、高精度かつ高速に分析できます。また、マイクロバルブ自身は数百万回以上の駆動が可能で、従来のバルブの数百倍の耐久性を有しています。
3. 多様な拡張性と簡単操作を実現
当社最新のガスクロマトマトグラフとFluxEdgeを組み合わせ、従来のGCシステム構成と比べてシンプルでコンパクトな装置構成を実現しました。GCが扱える様々な検出器や業界標準のキャピラリカラム、各種オプション品を選択し、ラボでの要望に合わせたシステム構成が可能です。システムの制御・解析は当社提供のソフトウェアに対応しており、汎用GCと同様に簡単操作で分析できます。
希望販売価格 | FluxEdge GC-2030高速ガスアナライザー 1,320万円~(税込み) GC-2050+FluxEdge FX-40ガスインジェクタ 550万円~(税込み) |
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販売目標台数 | 発売後1年間で30台 |
FluxEdge搭載イメージ