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2025年2月20日 | プレスリリース
JAXA宇宙戦略基金事業の「SX研究開発拠点」に立命館大学が採択
島津製作所は連携機関として月・火星探査用の「レゴリスTG-DTA」開発で貢献へ
島津製作所は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)が公募した令和6年度「宇宙戦略基金事業」の技術開発テーマ「SX研究開発拠点(課題名:月面探査・利用を産業化するための宇宙機器開発・人材育成拠点)」(以下、本件)に、代表機関である立命館大学(研究代表者:佐伯和人教授)の連携機関(研究分担者)として参画します。本件の採択は1月31日にJAXAより発表されました。当社は、本件において月面の水資源分析技術を可能にする「レゴリスTG-DTA」の開発を担います。これはTG-DTA(熱重量-示差熱同時測定装置)を応用して、レゴリス(惑星や衛星などの砂状の堆積物)中の水分に含まれる不純物の同定・定量や、水分子そのものの定量と存在形態(氷、クラスレートハイドレート、吸着水、構造水など)を区別する専用装置です。
レゴリスTG-DTAは、月面ローバー(探査車)への搭載・宇宙飛行士による利用を想定して、真空・低温環境での耐久性・高い操作性が求められます。TG-DTAは試料を加熱した際に生じる質量変化を測定する装置で、樹脂などの材料開発において耐熱性などを評価するために使われています。当社のTG-DTAは、独自の天びん機構により、加熱による熱膨張が生じても感度が変化せず、高精度の測定が可能です。島津製作所は社是「科学技術で社会に貢献する」に沿って、様々な技術を通じた、宇宙産業の発展に貢献していきます。
本件は、立命館大学宇宙地球探査研究センター(ESEC)を中心として、月・火星面を再現した研究環境と月面開発のための地表・地下の探査・調査技術の開発を通じて、産業クラスター形成と産業を支える人材の育成など、大学・研究機関・企業が連携して取り組むというものです。実施期間は2032年3月31日までを予定しています※。
- ※ 当初契約期間は、契約日から最初の中間評価(開始後3年を目途)が終了する日の属する年度の末日までです。
イメージイラスト:「レゴリスTG-DTA」を搭載した月面ローバー(提供:立命館大学)
製品写真:熱重量-示差熱同時測定装置「DTG-60/60Hシリーズ」
関連リンク
https://www.ritsumei.ac.jp/profile/pressrelease_detail/?id=1117
https://www.jaxa.jp/press/2025/01/20250131-2_j.html
https://www.an.shimadzu.co.jp/service-support/technical-support/analysis-basics/ta/fundamentals/tg-dta/index.html