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2023年6月7日 | プレスリリース CVCファンド「Shimadzu Future Innovation Fund」出資1号
革新的なPCR拡張技術を持つ米ChromaCode社に出資

島津製作所は、5月19日にコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「Shimadzu Future Innovation Fund」(以下、Shimadzu FIF)を通じて、遺伝子検査の拡張技術を有するスタートアップであるChromaCode,Inc.(米国カリフォルニア州、以下、ChromaCode社)に出資いたしました。本件はShimadzu FIFの出資第1号となります。

ChromaCode社は、独自開発の試薬と解析ソフトウェアにより既存のPCRで測定可能なターゲット遺伝子数を拡張し、高精度な「マルチプレックスPCR測定」(High Definition PCR、以下、HDPCR)を可能にする技術を有するスタートアップです。PCRとは、特定遺伝子情報を持つDNAを複製・増幅する技術です。特定の配列のみを増幅することで、ターゲット遺伝子の有無を調べることができます。ChromaCode社のHDPCRは、がんや感染症などの幅広い遺伝子検査に対応できるプラットフォーム技術であり、PCR検査を進化させることが期待されます。

生物の遺伝情報を構成するDNAの配列から、がんのような遺伝子異常の疾患に対して最適な治療法を選択するために、次世代シーケンサー(以下、NGS)やPCRが利用されています。NGSは網羅的なゲノム検査ができますが、検査費用が高価で最大数日という時間がかかります。一方、PCRは安価で迅速な測定ができますが、1回に測定できるターゲット遺伝子の数が約3~5個に限定されます。ChromaCode社が開発する独自の試薬と解析ソフトウェアは同時測定できる遺伝子の数を4~10倍に拡張したHDPCRを可能にし、低価格かつ約24時間での測定を実現します。

これまで当社はPCR検出試薬キットや全自動リアルタイムPCR検査装置「AutoAmp」などの開発により、新型コロナウイルスの感染症対策に取り組んできました。そうした中で、ChromaCode社の革新的なPCR拡張技術の将来性を考慮し、Shimadzu FIFから出資しました。今回の出資により、島津製作所はChromaCode社の事業を支援し、がんや感染症の対策に貢献していきます。

  • ※ HDPCRはChromaCode社の商標です

ChromaCode社の概要

会社名 ChromaCode, Inc.
代表者 CEO Mark McDonough
所在地 米国カリフォルニア州
事業内容 高精度マルチプレックス遺伝子検査技術の開発
設立 2012年
URL https://www.chromacode.com/

Shimadzu FIFの概要

正式名称 Shimadzu Future Innovation投資事業有限責任組合
設立 2023年4月
運用総額 50億円
運用期間 10年間
対象ステージ シード・アーリーを中心に、成長フェーズにあるミドル以降にも対応
投資領域 ヘルスケア、GX(グリーントランスフォーメーション)、マテリアル、インダストリー
無限責任組合員 グローバル・ブレイン株式会社
有限責任組合員 株式会社島津製作所
URL https://www.shimadzu.co.jp/research_and_development/cvc/index.html