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島津製作所の臨床事業における開発・製造子会社である島津ダイアグノスティクス株式会社（旧社名：日水製薬株式会社、以下SDC）は、3月23日に再生医療分野に特化したベンチャーであるマイキャン・テクノロジーズ株式会社（本社：京都市、以下マイキャン社）に約5,000万円を出資いたしました。SDCは2019年にも約2,000万円を出資しています。

マイキャン社は2019年に世界で初めて、増殖培養可能な、ヒト免疫を有する白血球細胞「Mylc（ミルク）細胞」を開発しました。血液またはiPS細胞から作製するMylc細胞は、「刺激に対する高い反応性（薬剤への反応試験用途での適性）」「同一の遺伝子情報を持ち均質」「安価な製造コスト」という特長を持ちます。

再生医療分野では、医薬品・ワクチンなどが一部の細菌の菌体成分などによる発熱性物質に汚染されていないかを確認する「発熱性物質試験」が必須です。各国法令で、出荷前にロットごとでの実施義務が定められています。現在はウサギを使った動物試験が主流ですが、今後は欧州をはじめ本邦でも薬局方改正などに伴い細胞を利用した試験法（MAT法）への置き換えが進むと見込まれます。マイキャン社は2021年にMylc細胞を使ったMAT法（MylcMAT法）を開発しました。マイキャン社は今回の追加出資を受けて、Mylc細胞の安定した製造体制を構築します。SDCとマイキャン社は、SDCの有する特定の細胞に適した培地を開発する能力などを活かして、Mylc細胞や検査試薬、細胞培地などから成る、MylcMAT法を簡易に実施できるキットを製品化し、日本、欧州で共同で販売していきます。

島津グループは今後も細胞関連事業に注力し、マイキャン社と協働してMylc細胞を利用した試験キットをグローバルに拡販していきます。また、臨床診断事業において、PCR検査装置や液体クロマトグラフ質量分析計などで使われる感染症検査用試薬などについてのマイキャン社との共同開発を検討していきます。

マイキャン社の概要

マイキャン・テクノロジーズ株式会社

SDCの概要

島津ダイアグノスティクス株式会社