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2023年12月14日 | プレスリリース
小型かつ高い感度・耐久性・メンテナンス性で環境や化学、食品分野の分析業務を効率化
ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-QP2050」を発売
写真:四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-QP2050」
島津製作所は、12月14日に業界最小クラスの四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-QP2050」を発売します。本製品は、従来製品から内部機構を根本的に見直し改良したことで感度と耐久性を高め、安定して信頼性の高い測定データを提供します。試料をイオン化する部分(イオン源)の煩雑なメンテナンスの作業時間は、従来機種と比べて最大95%削減しました。 AIアルゴリズムによるデータの自動解析オプションへの対応や、装置の稼働状況を把握できるタイムマネジメント、装置のリモート制御など多様な機能を搭載し、ユーザーの業務を効率化します。
ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)は、試料を原子・分子レベルに分けて測定することにより、含まれる化合物の種類と量を調べる装置です。GC-MSは、農薬など環境規制物質の検査や、食品や化学製品の品質管理、商品開発などに活用されます。近年、装置の用途が広がり、装置のダウンタイムの削減やメンテナンスの簡便さが求められています。
本製品は、業界最小クラスの装置サイズと、新設計の四重極ロッドによる高い堅牢性を両立しました。シンプルな部品構成によって煩雑で難易度の高いメンテナンス作業が簡便になり、ユーザーの負担を軽減します。最適な分析条件の自動作成や、装置の立ち上げ・測定時間のリアルタイム表示など、多様なユーザー支援機能で業務の効率化を支援します。島津製作所は四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-QP2050」を通じて、環境やライフサイエンスなど様々な領域の研究開発・品質管理に貢献してまいります。
新製品の特長
1. 業界最高クラスの感度と高い耐久性
「GCMS-QP2050」は、質量分析計の設計を根本的に見直しました。試料をイオン化するインターフェースやイオン源、四重極ロッド、検出器を改良し、従来機と比較し感度が約2.5倍向上しました。新設計の四重極ロッドに搭載したプリロッド*は、イオンのみを効率的に透過させることで汚れを防ぎ、長期にわたり安定した測定結果を提供します。
2. 長寿命化した部品と簡便なメンテナンス性でダウンタイムを軽減
試料のイオン化に必要な電子を放出する部品(フィラメント)について、長寿命化を実現したことでメンテナンス頻度が最大80%低減します。イオン源は多数の部品で構成されており、定期メンテナンスの手順が複雑でした。本製品はイオン源の構造を簡素化したことで、従来は約25分要していた作業時間を約1分に短縮しました。
3. 業界最小クラスのコンパクトな設計と多様なユーザー支援機能
本製品の質量分析部の装置幅は業界最小の280mmです。当社小型GC「GC-2050」との組み合わせでは従来機から最大27%減を実現しました。ワークフローのタイムマネジメント機能では、長時間にわたる連続分析でも終了時間をリアルタイムに把握できます。LAN接続により離れた場所からも状態を確認でき、ラボの生産性の向上や業務の効率化に貢献します。また、独自開発したAIアルゴリズムを搭載するオプションソフトウェア「Peakintelligence for GCMS」に対応し、複雑なデータも自動的に高精度で処理します。
写真左:小型GC「GC-2050」との組み合わせシステム例
写真右:ハイエンドモデルGC「GC-2030」との組み合わせシステム例
製品名 | 四重極型ガスクロマトグラフ質量分析計「GCMS-QP2050」 |
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希望販売価格 | 「GCMS-QP2050」 820万円~ GCとの組み合わせシステム1,020万円~(税抜、別途PCが必要) |
目標販売台数 | 発売後1年間で国内外合わせて1500台 (単体、システム合わせて) |
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