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2023年6月5日 | プレスリリース
ペプチスターと共同研究、核酸医薬品の開発を支援
オリゴ核酸配列解析ソフトウェア「LabSolutions Insight Biologics」を発売
島津製作所は、6月5日に高速液体クロマトグラフ四重極飛行時間型(Q-TOF型)質量分析計「LCMS-9030」、「LCMS-9050」用オリゴ核酸配列解析ソフトウェア「LabSolutions Insight Biologics」を発売します。本製品は、核酸医薬品の研究開発における「オリゴ核酸の特性解析」の測定から解析までを自動で実行し解析時間を従来比1/10以下に短縮します。「主成分の構造式表示」、「成分比率について複数の計算方法の提案」、「独自の不純物の推定技術(特許出願中)」などの機能を搭載し、核酸医薬品研究の業務効率を向上します。
写真:「Labsolutions Insight Biologics」画面
核酸医薬品とは、DNAやRNAなどの核酸から構成されるバイオ医薬品の一種です。副作用が少なくこれまで治療が困難だった疾患への適用が期待でき、低分子医薬品・抗体医薬品に次ぐ「第3の医薬品」として注目されています。核酸医薬品の原薬となるオリゴ核酸を化学合成することが一般的ですが、意図しない不純物が生成される可能性があります。安全性の確認、評価が必要ですが、主成分との分子量差が小さく分子の精密な質量の測定が求められ、解析が困難でした。
「LabSolutions Insight Biologics」は、ペプチド医薬※1・核酸医薬原薬のCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品受託製造)であるペプチスター株式会社との共同研究の成果を基に開発しました。解析工程の評価には、同社提供の核酸医薬品を模したサンプルを使用したことで高い解析精度を実現しています。研究開発から原薬製造・不純物の確認工程で求められるワークフローをヒアリングしたことで、ユーザーフレンドリーなソフトウェアを開発しました。
新製品の特長
1. ペプチスター社との共同研究によりスムーズな解析を実現
通常、オリゴ核酸の合成工程で生じる不純物の確認には多くの手間と時間が必要です。島津製作所は、ペプチスター社との共同研究結果を用いて簡易で迅速な解析フローを開発しました。主成分とそれに関連する不純物をMS、MS/MSスペクトル※2から網羅的に自動探索し、解析時間を従来比1/10以下に削減します。
2. 初めてでも操作しやすいワークフロー
オリゴ核酸測定前には主成分の核酸配列入力が必要ですが、ミスを招きやすく煩雑です。リアルタイムに核酸配列情報を構造式で描写する機能では、入力した主成分を視覚的に確認できます。また、塩基配列※3の確度を確認するフィルモード(下図左)と不純物が生成されやすい箇所を確認するブランチモード(右図)の切替表示機能を搭載しています。2つのモードで結果を確認することで推定した配列をより正確に評価できます。
3. 不純物の同定に必要な塩基配列の推定を支援
オリゴ核酸の類縁体を同定するためには、主成分と分子量が近い不純物の塩基配列確認という困難で煩雑な作業が伴います。本製品は独自開発した「フラグメントスペクトルマージ手法」(特許出願中)によって多くの候補から高い精度で塩基配列を推定します。複数のMS/MSスペクトルを一元化したデータを使用することで、スペクトル情報を確認しやすく、測定ごとの結果のばらつきの影響も抑えます。
価格 | 300万円(税別~) |
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目標販売数 | 発売後1年間で国内外合わせて30本 |
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