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2023年12月27日 | プレスリリース
iPS細胞を用いた肝硬変に対する細胞療法の開発へ
疾患の進行を抑制する新規治療法を共同開発
島津製作所は、リジェネフロ株式会社(本社:京都市左京区、代表取締役:森中紹文、以下「リジェネフロ」)、国立大学法人京都大学 iPS細胞研究所(本部:京都市左京区、所長: 髙橋淳、以下「CiRA」(サイラ))、東洋製罐グループホールディングス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:大塚一男)とiPS細胞を用いた肝硬変に対する細胞療法を開発する共同研究契約を締結しました。
本共同研究では、臨床試験に使用可能なHLAホモドナー由来iPS細胞※1からの、2次元および3次元培養を組み合わせた移植用肝細胞塊の製造法を確立します。また、ラットなどの肝硬変モデルを用いて、細胞療法の薬効と安全性を評価し、肝細胞が産生する治療効果物質の同定と機序解明を行ってまいります。
島津製作所は、2021年11月からリジェネフロ、CiRAなどと胎生期の腎前駆細胞の一種であるネフロン前駆細胞※2の品質および製造工程のモニタリング方法に関する共同研究を行っているほか、2022年1月にリジェネフロに出資しています。本共同研究では、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)などの分析計測機器・技術を用いて、治療効果物質の同定に取り組みます。当社は、今後も細胞研究・細胞関連産業に携わる研究機関、企業を支援するため、細胞培養ソリューションの研究開発においてオープンイノベーションを推進してまいります。
リジェネフロは、CiRA 増殖分化機構研究部門の長船健二教授の研究成果を基に、2019年9月に設立されたスタートアップ企業です。長船教授はネフロン前駆細胞の存在を世界で初めて発見したのを皮切りに、iPS細胞からネフロン前駆細胞を高効率に作製する技術の確立などに成功してきました。リジェネフロはこの細胞を用いた細胞医薬の実用化に取り組み、慢性腎臓病を適応症に承認取得を目指しています。
また長船教授は、腎臓に加え肝臓領域においても、iPS細胞からの分化誘導による細胞医薬の開発及び疾患モデルの作製に取り組んでまいりました。リジェネフロは、慢性腎臓病の治療法開発に加え、肝臓領域においても肝硬変などの治療法を開発していきます。リジェネフロは、本共同研究を通して、「肝疾患に苦しむ患者さんの生活の質(QOL)を改善し社会に貢献する」という使命のもと、事業を加速してまいります。
写真:本研究で使用する高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-9050」
リジェネフロの概要
リジェネフロ株式会社
代表取締役:森中紹文
住所:京都市左京区吉田下阿達町46-29
京都大学医薬系総合研究棟409s号室
事業内容:腎疾患治療薬の研究開発・生産・販売
設立:2019年9月
URL:https://regenephro.co.jp
CiRAの概要
国立大学法人京都大学iPS細胞研究所
所長:髙橋淳
住所:京都市左京区聖護院川原町53番地
担当部署:京都大学iPS細胞研究所 長船研究室
設立:2010年4月
URL:https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/
東洋製罐グループホールディングスの概要
東洋製罐グループホールディングス株式会社
代表取締役社長:大塚一男
住所:東京都品川区東五反田二丁目18番1号
事業内容:グループ会社の経営管理等
設立:1917年6月
URL:https://www.tskg-hd.com/
島津製作所の概要
株式会社島津製作所
代表取締役社長:山本靖則
住所:京都市中京区西ノ京桑原町1番地
事業内容:計測機器、医用機器、産業機器、航空機器などの製造・販売
設立:1917年9月
URL:https://www.shimadzu.co.jp/