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2023年7月26日 | プレスリリース 少ない環境負荷で有害元素や必須ミネラルを測定、医薬・環境・食品の研究開発に貢献
ICP質量分析計「ICPMS-2040」「ICPMS-2050」を発売

製品画像:高周波誘導結合プラズマ質量分析計「ICPMS-2050」
製品画像:高周波誘導結合プラズマ質量分析計「ICPMS-2050」

島津製作所は、7月26日に高周波誘導結合プラズマ質量分析計「ICPMS-2040」「ICPMS-2050」を発売します。本製品は、無機元素を定性・定量する高周波誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)です。スタンダードモデルの「ICPMS-2040」、高感度モデルの「ICPMS-2050」、2つのラインナップで幅広い用途に対応します。測定に使用するアルゴンガスの消費量を抑え環境負荷を軽減しつつ、高感度な測定を実現します。

無機元素には、鉛やカドミウムなど人体に有害なものから、カリウムやカルシウムといった必須栄養成分まで多くの種類が存在します。無機元素の測定は、医薬品、環境水、食品や細胞培地などの品質管理・研究開発のために行われています。わずかな量でも品質に影響を及ぼすため、より高感度な測定が求められています。ICP-MSは、アルゴンガスから生み出される高温のプラズマ*1を用いて元素をイオン化し質量を測定します。高感度な無機元素の測定手法であり、試料に含まれるごく微量な元素まで定性・定量します。

「ICPMS-2040」「ICPMS-2050」は、独自設計のプラズマトーチ(プラズマを発生させる機構)により従来機と比べ感度を約2倍向上しました。「ICPMS-2050」は、不要なイオンを除去する新たな機構により特定の元素においてさらなる高感度測定を実現します。両製品はアルゴンガスの消費量を一般的な装置の約2/3に削減しています。洗浄時間の短縮機能や標準搭載する分野別の測定条件などの豊富なユーザーサポート機能により、高いタイムパフォーマンスを発揮します。島津製作所は正確な分析データの提供を通じ、人々の健康を守るライフサイエンスの発展と、地球環境の保全に貢献します。

  • *1 電荷を持った粒子からなる気体。ICPでは電子とアルゴンガスを衝突させることで産出する

新製品の特長

1. 高感度と環境性能を両立

新設計のプラズマトーチが、少量のアルゴンガスでも高感度な測定を実現します。測定の合間はEcoモードが作動し、試料待機中のアルゴンガス消費量を削減します。「ICPMS-2050」に搭載するリアクションモードは、水素ガスなどを反応させ目的以外のイオンを排除します。特定の元素のさらなる高感度な測定が可能です。スタンダードモデルの「ICPMS-2040」とあわせ、ルーチン測定から微量測定まで幅広い用途に対応します。

左図:新設計のプラズマトーチ

左図:新設計のプラズマトーチ

右図:アルゴンガス消費量の比較

右図:アルゴンガス消費量の比較

2. 時短機能で測定効率を大幅に向上

高感度な測定手法であるICP-MSは、不要なイオンの除去機構で使用するガスの置換や装置洗浄に時間を要することが課題でした。本製品は、新設計のガスコントローラーがガス置換を迅速に行い測定時間を短縮します。「先行リンス機能」では、試料測定と試料吸い上げ流路の洗浄を同時進行で行います。100検体以上を連続で測定する場合にも、効率よく信頼性の高いデータを取得できます。

3. 豊富なサポート機能で簡単に測定

本製品に搭載する「拡張リンス機能」は、高濃度な試料の測定後、洗浄の追加から実行までを自動で行います。医薬、環境、食品分野における代表的な測定の条件や装置の設定情報を標準搭載します。ユーザーは最小限のカスタマイズだけで、装置導入後すぐに分析を開始できます。ユーザーの業務を支援する様々な機能を標準で搭載し、ラボの働き方に変革をもたらします。

製品名 高周波誘導結合プラズマ質量分析計「ICPMS-2040」「ICPMS-2050」
装置本体価格 2,125万円~/2,300万円~(税別)
目標販売台数 発売後1年間で国内外合わせて200台

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