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2023年9月12日 | プレスリリース 1200人を対象に10年間継続して食と認知機能の関係性を調査
島津製作所・江別市・北海道情報大学・農研機構・SCFCが共同コホート研究を開始

島津製作所、北海道江別市、学校法人電子開発学園北海道情報大学(以下、北海道情報大学)、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)、一般社団法人セルフケアフード協議会(以下、SCFC)は9月12日より共同コホート研究「江別いきいき未来スタディ」を開始します。本研究では「軽度認知障害(MCI)の血液バイオマーカーの探索」「食を中心とした認知症重症化予防策の検討」「地域社会の街づくりと健康寿命の関係性の調査」を目的とします。本年4月1日時点で55歳以上75歳以下の江別市民(最大1200名)に対して10年間にわたり血液バイオマーカーの測定を含む認知機能検査や体力測定のほか、食・生活習慣に関するアンケート調査を行います。自治体、大学、国立研究機関および民間企業によるアルツハイマー型認知症(以下、アルツハイマー病)の発症因子についての大規模な調査研究は、国内で初となります。

写真左から、セルフケアフード協議会 山本万里代表理事、島津製作所 山本靖則代表取締役社長、北海道江別市 後藤好人市長、農研機構 久間和生理事長、北海道情報大学 西平順学長

写真左から、セルフケアフード協議会 山本万里代表理事、島津製作所 山本靖則代表取締役社長、北海道江別市 後藤好人市長、農研機構 久間和生理事長、北海道情報大学 西平順学長

本研究の検査は年1度実施し、所要時間は約2時間です。被験者の認知機能や心身の健康状態、生活習慣データを照合して、MCIの発症を予測する血液バイオマーカーや食を中心とする重症化予防策を検討します。島津製作所は、「血中アミロイドペプチド測定システム Amyloid MS CL」*1や「MCIスクリーニング検査プラス」*2による血液バイオマーカー測定結果の解析および評価を担当します。北海道情報大学は、モーションキャプチャーを用いた歩行動作評価など身体検査データを解析します。農研機構は、調査結果から食生活と認知機能の関係を研究し、認知機能を維持する栄養機能性成分を探索します。SCFCは会員企業である食品メーカーによる「江別いきいき未来スタディ」の知見に基づく食品開発を支援します。

写真左:「血中アミロイドペプチド測定システム Amyloid MS CL」、写真右:「MCIスクリーニング検査プラス」にて用いる高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8060NX」

写真左:「血中アミロイドペプチド測定システム Amyloid MS CL」、写真右:「MCIスクリーニング検査プラス」にて用いる高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8060NX」

認知症の約6割を占めるアルツハイマー病では、発症の約20年前から原因物質の1つであるアミロイドβの脳への蓄積が始まるとされています。認知機能の低下が見られるMCIは、認知症の前段階の症状と考えられていますが、MCIの段階で適切な対応を取ることにより認知症の発症または重症化の予防が期待できます。

2022年6月に島津製作所・江別市・北海道情報大学・農研機構・SCFCはMCI発症リスクを低減、予防する社会システムの構築への寄与を目的とした包括連携協定を締結しました。今後10年間にわたり最大1200名の健康状態や生活習慣の情報をデータベース化することで、食と認知機能の因果関係を究明します。また、本年6月に認知症基本法が成立したことで、認知症を引き起こす因子の解明、予防のための基礎・臨床研究の普及がより推進されます。5者は本研究を通じ、生活習慣の改善によるMCIの発症リスク低減に向け、食をはじめとしたセルフケアソリューションの社会実装を目指します。

  • *1 「血中アミロイドペプチド測定システム Amyloid MS CL」は、血中のアミロイドペプチド(アルツハイマー病の特徴であるアミロイド斑の主要成分)を測定し、アミロイドβに関連するバイオマーカー値を提示する島津製作所製装置。島津製作所エグゼクティブ・リサーチフェローである田中耕一がノーベル化学賞を受賞する理由となった「MALDI」技術(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)を用いている。2021年6月に同技術によりアミロイドペプチドを測定する装置としては日本で初めて医療機器の承認を受けた
  •  
  • *2 「MCIスクリーニング検査プラス」は、筑波大学および島津製作所が出資する株式会社MCBIが提供するMCIの発症リスクを栄養・脂質代謝・免疫に関連する血液中のタンパク質により評価する検査

共同研究「江別いきいき未来スタディ」内容

調査期間:2023年9月12日より順次開始(2032年度までの10年間)
参加条件:55歳以上75歳以下(2023年4月1日時点)の江別市民
募集人数:最大1200名(10年間で毎年1000名の観察研究を目指す)
主な調査内容:年に1度の問診(既往歴、現病歴、薬剤服用歴、家族歴など)、身体・体力測定(身長、体組成、下肢筋力・バランス、握力、椅子立ち上がり時間、歩行動作など)、血液検査(肝機能、腎機能、血中脂質、血糖、栄養状態、老化物質、軽度認知機能障害予測マーカー候補など)、血圧測定、健康調査および生活習慣や食事に関する自述式アンケート調査 

報道関係の皆様のお問い合わせ先

北海道江別市について

問い合わせ先:江別市 健康福祉部 四條省人
URL: https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/
TEL: 011-381-1067
E-mail: m.sijyo@city.ebetsu.lg.jp

株式会社島津製作所について

お問い合わせ先:株式会社島津製作所 コーポレート・コミュニケーション部 広報グループ
URL: https://www.shimadzu.co.jp
TEL: 075-823-1110
メールアドレス:pr@group.shimadzu.co.jp

学校法人電子開発学園北海道情報大学について

お問い合わせ先:北海道情報大学 健康情報科学研究センター
URL: https://www.do-johodai.ac.jp/  、https://hisc-do-johodai.jp/
TEL: 011-385-4430
メールアドレス:clinical-food@do-johodai.ac.jp

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構について

お問い合わせ先:農研機構食品研究部門 研究推進室 渉外チーム 亀谷 宏美
URL: https://www.naro.go.jp/index.html
TEL: 029-838-7995
メールアドレス:kohop-nfri@ml.affrc.go.jp

一般社団法人セルフケアフード協議会について

お問い合わせ先:一般社団法人セルフケアフード協議会
URL: https://scfc.or.jp/index.html
TEL: 03-3518-9483
メールアドレス: info@scfc.or.jp