FEATURED EXHIBITS [INTRODUCTION]ピックアップ展示品［紹介］VOL.1 VOL.2VOL.1

ダイアナ号大正7～昭和11（1918～1936）年頃まで製造

高圧絶縁された接触子を持つ同期電動機により交流を全波整流し、高圧直流電源とするX線発生装置。一台で多様な目的に対応できる汎用X線装置として、当時の舶来品賛美時代に、国産機でありながら圧倒的に市場に受け入れられ「レントゲンの島津」の地位を確立しました。

国産木製複式顕微鏡天明元（1781）年小林規右衛門作（大阪）

現存する国産の顕微鏡では、最古のものといわれています。
本体は木製、鏡筒は紙製で、対物レンズが3種ついており、当時「虫靉靆(あいたい)」とも呼ばれ高級な玩具として使用されていました。

軽気球試検之図

京都府の要請を受け、初代源蔵は苦心の末、水素軽気球を製作します。明治10（1877）年12月6日、招魂祭の日、仙洞御所の広場から気球が舞上がりました。民間初の有人飛揚の成功です。

初期のGS蓄電池（複製：携帯用S2型）

明治30（1897）年、二代目島津源蔵は容量10Ah程度の小型鉛蓄電池を完成しました。これが日本における蓄電池の工業生産の始まりとなります。ちなみにGSは島津源蔵のイニシャルです。

足踏式木製旋盤

日本に現存する最古の足踏式木製旋盤です。
明治8（1875）年、ワグネル博士がウィーン万国博覧会から帰国する際に持ち帰り、明治14（1881）年に京都を去る際、初代源蔵に譲り渡したと伝えられています。

理化器械目録表

明治15（1882）年
弊社で収蔵する最古の目録。当時既に約110種類もの器械を販売していました。巻末には「御好次第何品ニデモ製造仕候也」とあり、自信のほどが伺えます。

ファンモーター

大正2（1913）年製の風力切り替え付き扇風機です。
台座は漆塗りで、高価だったことや当時の電気事情により普及しませんでした。

燐光管（花入）

クルックス管（高真空の放電管）の電極間に燐光物質を塗った造花をおいたもので、真空放電によって電子が燐光物質に衝突し、花が光ります。

ウイムシャースト感応起電機

明治17（1884）年9月、梅治郎（二代目源蔵）は、日本で初めてウイムシャースト感応起電機を完成させます。静電誘導を利用して高電圧を発生させる器械は「島津の電気」と呼ばれました。

教育用エッキス線発生装置

X線実験の構成要素をコンパクトに組み立てた理化学実験用装置です。
X線発生の原理と機構を説明するなど、知識普及・啓蒙のために製作しました。

人体解剖模型

明治24（1891）年頃から製作を始めていた紙製造法に改良を加えて製作しました。
この方法は乾燥や湿気に強く、明治44（1911）年に特許を取得し「島津式ファイバー製」として多くの模型に活用され、島津標本の特徴となりました。

ガスクロマトグラフ GC-1A形

昭和32（1957）年
物質に含まれる微量成分を分離・分析する化学分析装置。戦後、欧米に大きく立ち遅れていたわが国において、この国産化は分析業界に大きなインパクトを与え、その後の分離分析機器主流の時代を拓く先駆けとなりました。

理化学器械の保存に向けた取り組みとお願い

当資料館では、寄贈と収蔵により約1150点の理化学器械・標本を収蔵しており、その数は国内最多を誇っています。
これらの器械類は島津の歴史だけを語るものではありません。わが国の科学史、技術史、教育史を雄弁に物語る貴重な史料でもあります。
当館では引き続き、収集・調査活動を行いその成果を広く展示、公開していきたいと考えています。もし廃棄される予定の島津製品（産業機器、理化学器械、標本、カタログ資料）の情報があればご一報くださいましたら幸いです。