新着情報

2021年5月18日 | 新着情報 第69回質量分析総合討論会(5月19日~21日/オンライン開催)で発表を行います

第69回質量分析総合討論会が5月19日(水)~21日(金)にオンラインで開催されます。
当研究所からは下記発表を行います。
参加登録の方法等は一般社団法人日本質量分析学会HPをご覧ください。

日本質量分析学会 第69回質量分析総合討論会

第1日 5月19日(水)
1A-O1-1510

Highly-integrated Radical Induced Dissociation (HiRID)-MS/MSを用いた新規PK/RiPPハイブリッドリポペプチド脂肪酸部位の構造決定

(1島津・ 2東大)〇高橋秀典1・ 寺本華奈江1・ 岩本慎一1・ 尾仲宏康2・ 田中耕一1

MS/MS測定においては不活性ガス分子との衝突を利用して分析対象化合物を解離させる「CID」が一般に用いられていますが、当研究所ではこれまでに反応性の高いラジカル種との衝突を用いるラジカル誘起解離法「HAD」および「OAD」を開発し、CIDとは相補的な構造情報が得られることを見出してきました。今回、一台のMS装置でCID/HAD/OADを実施可能にし、複雑な構造を持つ新規リポペプチド化合物に応用してその分子構造解析に成功したので報告します。

第2日 5月20日(木)
2E-O9-1100

中性ラジカル-イオン反応を用いた新規LCMS-Q-TOF型質量分析計の開発

(島津)〇高橋秀典・ 古田匡智・ 乾公隆・ 三井一高・ 岩本慎一・ 田中耕一

高スループット・高感度・高質量精度という利点を持つLCMS-Q-TOF型質量分析計に、新規フラグメンテーション手法として当研究所が開発してきたラジカル誘起解離法を搭載しました。ここでは本装置の概要と、応用としてリン脂質類をモデル化合物とした二重結合位置の解析やcis/trans異性体の帰属事例を報告します。

第3日 5月21日(金)
3P-41

自動化免疫沈降法とMALDI-TOF MSを用いた血漿アミロイドβバイオマーカーの性能

(1島津・ 2長寿研)〇金子直樹1・ 中村昭範2・ 依田里都子1・ 加藤隆司2・ 関谷禎規1・ 伊藤健吾2・ 岩本慎一1・ 柳澤勝彦2・ 田中耕一1

国立長寿医療研究センターと当研究所とのグループでは、アルツハイマー病を早期に捉えるために血漿中のAβペプチド量をもとにしたバイオマーカーを開発してきました。今回、市販の自動分注装置を用いた血漿試料前処理システムを構築することによって、処理を自動化しスループットを向上させることに成功しました。ここではシステムの概要と、バイオマーカーとしての性能評価について報告します。

3P-54

大気圧MALDI-MSを利用したペプチドの構造解析方法

(1広島大院理・ 2島津)〇山口愛歩1・ 田中耕一2・ 山本卓志2・ 泉俊輔1

これまでに広島大学・当社グローバルアプリケーション開発センターおよび当研究所による共同研究チームは、大気圧MALDI-MSでは通常は起こりにくいと考えられていたフラグメンテーション現象を見出しました。今回はその続報として、CHCAなどの桂皮酸骨格を有するマトリックスあるいはその類似化合物を用いたペプチドの測定結果からマトリックス化合物の性質と本現象との関連を明らかにします。

3P-57

シアル酸結合様式特異的誘導体化に対応した糖鎖組成推定Webソフトの開発

(島津)〇村瀬雅樹・ 西風隆司・ 山田賢志・ 岩本慎一・ 田中耕一

糖鎖は幅広い構造多様性を持つため、これを質量分析法で解析するための分析手法や誘導体化法も多様化しつつあります。そのため新たに提案される手法に対して柔軟に対応できるデータ解析環境が求められていました。今回、様々な測定手法に適用できる糖鎖組成推定ソフトウェア「MS ASSETs Glycan」を開発しそのWeb版を公開しました。本会ではその概要と、このソフトウェアを当研究所が開発したシアル酸結合様式解析法(SALSA法)に適用した例を報告します。