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2019年10月10日 | 新着情報 ノーベル化学賞 吉野彰先生ご受賞に関する田中耕一からのコメント

吉野 彰 様

2019年ノーベル化学賞受賞、おめでとうございます。
現在も企業の研究者・技術者である私としては、旭化成の名誉フェローでいらっしゃる吉野様が受賞されたことは、ことのほか嬉しく思います。

先生のご研究の経緯をあらためて考えますと、私の1980年代からの経緯と重なる部分が多いように思えます。私の発見は、”産”である企業で基礎研究を行い、大阪大学の先生をはじめとする”学”の方々が応用を考え、世界に広めていただきました。これまで日本で常識と思われている役割分担とは逆転しています。実際には、企業での基礎研究はこれまでも多くなされており、これからもますます増えていくと思われます。

従来日本は完成品を世界に使っていただくことが多かったのですが、リチウムイオン二次電池だけでなく様々な素材に関する研究・開発が行われ、世界の最先端を走っていることを嬉しく思います。
島津製作所としましても、これまでリチウムイオンニ次電池の開発や解析に様々な分析機器を用いて協力をしてまいりました。
今回の受賞を極めて良い機会として、さらに日本の科学技術に貢献してまいりたいと思います。

2019年10月9日 (京都にて)
株式会社島津製作所シニアフェロー 田中耕一記念質量分析研究所 所長 田中耕一