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2024年9月26日 | 新着情報 当研究所の研究員が第45回日本食品微生物学会学術総会にて優秀発表賞を受賞

当研究所と大阪健康安全基盤研究所(大安研)が共同で開発した「糖鎖型判別法」により、第45回日本食品微生物学会学術総会においてポスター発表で優秀発表賞を受賞いたしました。本学会では、口頭発表54題とポスター発表54題、計108演題の発表が行われ、その中から優れた発表6件が「優秀発表賞」として表彰されました。

「糖鎖型判別法」は、微生物の菌種同定で頻繁に利用されているMALDI-MSを用いた血清型別法であり、各O血清群におけるO抗原糖鎖の構造の違いをマススペクトルとして直接検出することで血清型別を可能とします。従来のO抗原による血清型別法とは異なり、血清型ごとに個別の抗体が不要で、単一の手法でO157をはじめとした幅広い血清型を判別できるなど、多くの優位性を持っています。

発表者の空翔太は次のようにコメントしています。「日本食品微生物学会という日本の微生物分野のキーパーソンが集まる場で、大阪健康安全基盤研究所の先生方と共同開発した『糖鎖型判別法』という新しい技術とその可能性を聴講者の皆様に知っていただく一役を担えたことを大変光栄に思います」

受賞対象

ポスター発表の名称 要旨
P-42 O抗原糖鎖のマススペクトルによる「糖鎖型判別法」の検討 O抗原による血清型別法の多くは抗原抗体反応を基にしており、血清型ごとに個別の抗体が必要で、全ての型を対象にすると多大なコストを要する。このような背景から、MALDI-MSを用いたO抗原糖鎖構造の解析により、血清や抗体を用いずに血清型を推定する「糖鎖型判別法」が開発された(特許第7365007号)。しかしながら、本判別法では試料調製法が複雑で、また、効果が検証された血清型が限られるという課題が存在する。そこで、本研究ではより簡便なO抗原糖鎖試料の調製法を検討し、腸管出血性大腸菌の主要な血清型であるO157、O26、O103で糖鎖型判別法による血清型推定を試みた。
発表者
空翔太(1)・児嶋浩一(1)・坂田淳子(2)・若林友騎(2)・西嶋駿弥(2)・関谷禎規(1)・岩本慎一(1)・田中耕一(1)(1. 島津、2. 大安研)

受賞した児嶋浩一と空翔太

 

関連リンク:
過去の表彰歴|日本食品微生物学会 (jsfm.jp)