島津製作所が製造する先端医療機器のメンテナンスと、診療所等向け各種電子医療機器の販売を手がける島津メディカルシステムズ。
そのネットワークとスタッフの情熱が、日本の医療を支えている。

全国53拠点で地域密着型サービス

島津製作所はFPD（フラットパネルディテクタ）搭載X線診断システムやPETシステムなど先端医療に欠かせない機器を製造販売している。それらの製品のセットアップからその後のメンテナンスまで一手に引き受けるのが、島津メディカルシステムズ株式会社だ。
同社は、全国に53カ所の拠点を構えている。島津製の医療機器が全国に行き渡っていくにつれて拠点を増やし、全国をカバーするネットワークを作り上げた。
「機器の調子がおかしいので見てほしいという医療機関からの電話は、夜中でも休日でも入ってきます。他の機械ならいざ知らず、医療用機器の故障は人の命さえ左右します。電話があれば昼夜を問わず駆けつける。それがサービス員の使命であり、誇りでもあるのです」（石原浩代表取締役社長）

高い技術力で機器の性能を維持

もちろん、的確なメンテナンスを行うにはスタッフの技術力が欠かせない。「技術力がなくては、高い品質サービスは提供できません。そのために、サービスマンの教育訓練にはとくに力を入れています」
島津製作所医用機器事業部と連携し、商品の知識と実際のメンテナンスを徹底的に習得。それに加えて、社内勉強会、OJTも活発に行っており、信頼に応えられるサービスマンを養成している。
近年の医療機器の技術的進歩は目覚ましく、メンテナンススタッフの技術ではカバーしきれないケースも起こり得る。同社は、最新のハイテク医療機器について、それぞれの機種の知識、メンテナンス技術を身に付けた「スペシャリスト」を養成。前述の拠点（営業所）とは別に全国7カ所の技術センターに配置して、2段構えによる体制を整えている。
「医療機器の最終的なお客様は、患者さんだということを常に意識し、安心して医療を受けられるよう、装置性能を100％発揮できる体制を整えています。しかし、装置は機械ですから、トラブルが発生することもあります。その時に信頼される対応ができるかどうかが重要です」
全国各地にいる社員は皆、その地域のはえぬきだ。その地域を知り、それぞれのお客様に合った「地域密着型」のサービスで、装置をベストコンディションに保つため、今日も走り回っている。