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(注)所属・役職および研究・開発、装置などは取材当時のものです。

直接変換方式FPD搭載Safireシリーズを13台導入

「待たせない医療」の実現に貢献する直接変換方式FPD搭載システム

東海大学医学部付属病院

東海大学医学部付属病院

特定機能病院として、さらには地域の中核病院として高度な医療の提供に努める一方で、24時間体制の救命救急センターも併設。「どこにもない病院」を目指して2006年1月から新病院を開院した。

〒259-1193 神奈川県伊勢原市望星台
TEL:0463-93-1121

http://www.u-tokai.ac.jp/hospital/fuzoku/index.html

医学部開設30周年の今年、最新鋭の医療機器を導入した新病棟を開設し、フィルムレス化によるワークフローの効率化を図った東海大学医学部付属病院。同大学の医学部副学部長でもある、画像診断科の今井裕教授に島津の直接変換方式FPD 搭載Safire シリーズについてお話を伺った。

高度先端医療の地域中核病院

「特定機能病院」であり、「地域中核病院」の東海大学医学部付属病院は、2006年1月5日に、敷地面積9万m2、延床面積7万m2、地下1階地上14階、24の診療科、803の稼働病床数の大規模な新病棟を建設した。
24時間体制の高度救命救急センター(病床数72)、電力供給が可能なエネルギーセンター、現場急行用のドクターヘリを備えており、近隣の医療施設との連携はもちろんのこと災害拠点病院としての重要な役割も担っている。

島津のSafireシリーズ13台を設置

「創造する病院」を基本理念に掲げ、「どこにもない病院」を目指す新病院は、迅速な医療を実現するべく、電子カルテシステムに加えてPACS(医療画像情報システム)、RIS(放射線科情報システム)などのIT化に取り組んだ。病院全体のフィルムレス環境を整備するにあたり、島津製作所の『Safireシリーズ』13台を2004年12月から順次導入した。一般撮影用17インチ直接変換方式FPD(フラットパネルディテクタ)搭載システム11台(立位6台、臥位5台)とFPDX線テレビシステム2台だ。

FPDのパフォーマンスがワークフローを向上させる

患者さんに高度な医療を提供する東海大学医学部付属病院に、島津の『Safireシリーズ』が導入されたのは、単にフィルムレス化を実現するだけではない。
「FPDの導入は数社の製品を検討しました。島津製作所のSafireシリーズは、17×17インチの大画面FPDだったこと、そこが大きなポイントとなりました。なぜなら、近年日本人の体格はとても大きくなりましたから、FPDのサイズは大きければ大きいほど良いわけです」と同大学副学部長であり、画像診断科医でもある今井教授は採用の理由を語った。新病院では当初CR(コンピューテッドラジオグラフィ)システムを導入する予定だったが、画像を表示するまでの過程が複雑で時間がかかってしまう。それに対して、直接変換方式FPDはX線をそのまま電気信号に変換するというシンプルな構造であり、画像表示までの時間が早いというメリットがあったのだ。
「FPDはシンプルなのに鮮鋭度が高く、とりわけ背景の粒状性などがとても良いことがわかりました。そして、間接変換方式FPDに比べて、直接変換方式のFPDは高感度で高空間分解能であることに加えてS/N(信号レベルとノイズレベルの比を表す数値)においても優れており、島津のSafireシリーズは非常に高解像度であると評価しました」
また、新棟建設を計画した際、検査全体のワークフローの効率化について、医療に携わるスタッフと長期にわたって検討してきた。これは、診断と治療の最速化を図ることで治癒率が向上するという考えのもと、重視したポイントだった。
「一般撮影においてワークフローを悪化させる原因のひとつが再撮影です。この問題を解決する手段は、すばやい画像表示の実現です。そこで注目したのが島津製作所の直接変換方式のFPD。この装置は、撮影してからモニター表示されるまでわずか2秒という驚異的な早さでした。他メーカーは6秒くらいかかりましたから、スムーズなワークフローを実現させるには島津のFPDが必要だと思いました」
FPDの圧倒的なスピードが新病院のワークフローに大きな影響を与えたことは事実。島津のSafireをはじめ最新鋭かつ高機能の医療機器の導入は、待ち時間減少の患者メリット、医療の質の向上はもちろんだが、待ち椅子の減少から待合室のコンパクト設計の実現も可能にし、医療スタッフの作業導線の最適化が図れた。診療現場の高効率化を実現させることは、病院運営にとって重要である。

圧倒的な実力の高さが先進医療を支える

圧倒的なパフォーマンスを発揮する島津の直接変換方式FPD搭載システムは、FPD本体を国内で生産している。万全な品質管理はもちろんのこと、安定した供給体制がとれており、装置の改良の際も迅速に対応できるため、信頼度が高い。こうした技術力と確かな製品を生み出す開発姿勢を、今井教授は高く評価した。
「島津製作所が優れた製品を開発できたのは、長い歴史の中で開発してきたMRなどを廃止し、X線撮影装置に集中し、とりわけFPDに特化したことにあると思います。基礎技術からすべて自社開発し、改良を加えられた製品というのは、成熟度が高く、信頼がおけます。こうした経営方針は大いに賛同できますね」
患者さんの満足度向上に向け、病院の「創造」と革新に邁進している、東海大学医学部付属病院。「特定機能病院」であり「地域中核病院」の新しい取り組みへの期待は大きい。

導入された直接変換方式FPD搭載Safireシリーズ
(上)Cvision Safire
(中)SONIALVISION Safire
(下)RADIOTEX Safire

東海大学医学部 副学部長
基盤診療学系画像診断学教授

今井 裕

1978年慶応義塾大学医学部卒後、同大学医学部放射線科入局。2001年東海大学医学部 総合診療学系放射線科学教授に就任。2004年東海大学医学部付属病院副院長就任。2006年同大学医学部副学部長に就任。現在に至る。

(注)所属・役職および研究・開発、装置などは取材当時のものです。