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(注)所属・役職および研究・開発、装置などは取材当時のものです。

食の品質を守る「技」

あらゆる角度から分析・評価

食品の安全性評価の種類と島津の検査装置

安全でおいしいものを食べたい。消費者の願いに応えるべく、食品製造の現場では、何重にもわたる厳しいチェックの目が光っている。
「リストに含まれない農薬は一律0.01ppmを超えてはならない」
今年5月、原則すべての農薬を禁止し、「残留を認めるもの」のみを一覧表にして示す食品中残留農薬のポジティブリスト制度が施行された。認められている農薬にも基準値があり、それを超えるか、あるいはリストに含まれない農薬が検出された食品は流通が禁止される。
これまでの制度からは一歩も二歩も踏み込んだ制度で、これを機に、食品の安全性を求める声がいっそう高まりを見せている。
0.01ppmといえば、1億分の1の濃度ということになる。25メートルプールに大サジ一杯分でさえ、入っていることが許されないのだ。
むろん検査には非常な厳格さが求められる。島津の装置群もそうした現場で活躍している。
検査が重要なのは、もちろん農薬だけにとどまらない。品質を保つためには、あらゆる食品成分を検査し、また、カビや金属片などの異物が混入していないかもチェックする必要がある。
トレーサビリティが法制化され、食品製造者の責任が厳しく問われる今日、食品製造の現場での検査装置の役割はますます高まっている。

おいしい食品をつくるために

原料の特性評価
  • ・油脂の評価
  • ・糊化特性の評価
  • ・ねばり、流動性の評価
  • ・水分の測定
  • ・原料水の評価
  • ・たんぱく質の評価
  • ・糖質の評価
〈油脂の評価〉

キャピラリガスクロマトグラフGC-2010

魚油中の脂肪酸メチルエステルの分析

食品の風味・味覚・食感を確かめる

風味・食感の測定
  • ・香気成分の分析
  • ・におい識別
  • ・口当たりの評価
  • ・歯ごたえの評価
  • ・アミノ酸の分析
  • ・有機酸の分析
〈におい識別〉

におい識別装置 FF-2A

安心できる食品のために

安全性の評価
  • ・残留農薬の分析
  • ・重金属の分析
  • ・食品中有効元素、有毒元素の検査
  • ・カビ毒の分析
  • ・動物用医薬品の分析
  • ・食品内の異物チェック
〈残留農薬の分析〉

ガスクロマトグラフ質量分析計 GCMS-QP2010 Plus

GC/MS対象の250農薬一斉分析

〈食品中有効元素、有毒元素の検査〉

エネルギ-分散型 蛍光X線分析装置
EDX-700HS/800HS/900HS

カレーに混入した亜ひ酸ナトリウム中のAsの分析

〈カビ毒の分析〉

高速液体クロマトグラフ質量分析計
LCMS-2010EV

アフラトキシン4種のSIMクロマトグラム

〈食品内の異物チェック〉

X線異物検出装置
SLDX-2050XAS

アフラトキシン4種のSIMクロマトグラム

食品のおいしさを保つために

品質の評価
  • ・食品添加物の分析
  • ・ビタミンの分析
  • ・栄養成分の測定
  • ・無機イオンの分析
  • ・鮮度(K値)測定
  • ・油脂の融解
  • ・粒度の測定
  • ・包装フィルムの分析
  • ・カラー測定
  • ・色素の分析
〈ビタミンの分析〉

紫外可視分光光度計 UVmini-1240

栄養食品中のビタミンCの分析

〈食品添加物の分析〉

高速液体クロマトグラフ LC-2010HT

安息香酸、ソルビン酸、デビドロ酢酸標準品の分析

食品の価値を高める

梱包材料などの評価
  • ・包装材の透湿度の測定
  • ・包装容器の強度測定
  • ・乾燥剤・脱臭剤の評価
  • ・ピンホールチェック

(注)所属・役職および研究・開発、装置などは取材当時のものです。