(注)所属・役職および研究・開発、装置などは取材当時のものです。
食の品質を守る「技」
あらゆる角度から分析・評価
安全でおいしいものを食べたい。消費者の願いに応えるべく、食品製造の現場では、何重にもわたる厳しいチェックの目が光っている。
「リストに含まれない農薬は一律0.01ppmを超えてはならない」
今年5月、原則すべての農薬を禁止し、「残留を認めるもの」のみを一覧表にして示す食品中残留農薬のポジティブリスト制度が施行された。認められている農薬にも基準値があり、それを超えるか、あるいはリストに含まれない農薬が検出された食品は流通が禁止される。
これまでの制度からは一歩も二歩も踏み込んだ制度で、これを機に、食品の安全性を求める声がいっそう高まりを見せている。
0.01ppmといえば、1億分の1の濃度ということになる。25メートルプールに大サジ一杯分でさえ、入っていることが許されないのだ。
むろん検査には非常な厳格さが求められる。島津の装置群もそうした現場で活躍している。
検査が重要なのは、もちろん農薬だけにとどまらない。品質を保つためには、あらゆる食品成分を検査し、また、カビや金属片などの異物が混入していないかもチェックする必要がある。
トレーサビリティが法制化され、食品製造者の責任が厳しく問われる今日、食品製造の現場での検査装置の役割はますます高まっている。
(注)所属・役職および研究・開発、装置などは取材当時のものです。