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(注)所属・役職および研究・開発、装置などは取材当時のものです。

17インチ直接変換方式FPD搭載デジタルテーブルシステムを導入

鮮明なデジタル画像とネットワークを活かしたすばやい診察が医療の質を高めていく

大津赤十字病院

一世紀前、島津製作所が開発した日本初の大型医療用X線装置を設置したことでも知られる大津赤十字病院が、このたび最新の17インチ直接変換方式FPD搭載のSafireシリーズを導入。滋賀県の医療をリードする大津赤十字病院で、X線画像診断装置に新風を吹き込むSafireシリーズがどのように医療に貢献しているのか、放射線部の結城留実夫技師長と小川正課長にお話をうかがった。

 日本最大の淡水湖である琵琶湖の南西に広がる滋賀県大津市。その琵琶湖を展望できる大津赤十字病院は、1904年に3つの診療科、60床を持つ日本赤十字滋賀県支部病院として始まり、現在は25の診療科、病床数約900という総合医療機関へと大きく発展を遂げた。 一世紀という長い年月、医療に従事してきた、この大津赤十字病院でも、17インチ直接変換方式FPD(フラットパネルディテクタ)を搭載した『デジタルテーブルシステムSonialvision Safire』が導入され、医療の質、効率の向上に一役買っている。 「初めてFPDで撮影したデジタル画像を見たとき、その鮮明な画像に強い関心を持ちました。直接変換方式を採用したFPDだから実現できる高いクオリティなのでしょうね。しかも、画像の歪みがなく、大口径で撮影できるということも忘れてはいけないポイントでした」(小川課長) これらの要素は精度の高い医療をサポートするだけにとどまらない。大口径による広い視野、高画質という条件のもとで撮影を行えば、撮影回数を減らすことが出来るので、被ばく低減につながり、検査に要する時間も少なくてすむ。これは患者さんの負担軽減の点で大きな意味を持つのである。

大津赤十字病院

地域医療支援病院の承認、地域がん診療拠点病院の指定を受けるなど、滋賀県において重要な役割を担っている総合病院。赤十字の「人道・博愛」という精神のもと、地域に根付いた医療が続けられている。

〒520-0046 滋賀県大津市長等1-1-35
TEL:077-522-4131(代表)

http://www.otsu.jrc.or.jp/

また、天板の昇降機能は患者さんの乗り降りの負担を軽減することはもとより、患者さんの安全に配慮した設計がなされている製品であることも導入の決め手となったという。
さらにデジタルですばやく処理できるので、作業の効率を飛躍的に向上させ、現場の負担軽減にも大きく貢献しているのだ。
島津との付き合いは古く、交流電源を使用した日本初の大型医療用X線装置(島津製作所製)が導入されたのもこの大津赤十字病院だ。それ以来今日に至るまで、最新のFPDをはじめ、一般的なX線装置も島津の製品が数多く導入されている。
「この病院は島津製作所の本社と工場が近いこともあり、万が一装置トラブルが起こった場合にスピーディに対応していただける安心感があります。X線診断の現場の声にメーカーが迅速に対応してくれるというのは、病院にとっても患者さんにとっても大きなメリットになります」(結城技師長)
地域住民の医療に大きく貢献してきた大津赤十字病院。「これからの医療製品は患者さんに優しいだけではなく、使い手にも優しくなくてはいけない」と結城技師長が語るように、メーカーと病院が同じ目標に向かってタッグを組み協力しあうことが『安全な医療の実現』のために必要なことなのだと再認識することができた。

導入された17インチ直接交換方式FPD搭載のデジタルテーブルシステム「Sonialvision Safire」

最大フィルムサイズの領域を全てカバーする大視野17インチFPDでは、150μmの非常に高い解像度を維持しながら17インチ×17インチの大視野化を実現。歪みのない超高精細画像で腹部領域、整形分野の検査領域をフルカバーできる。

結城 留実夫(ゆうき とみお)

1970年 大阪物療専門学校第一本科卒。市立長浜病院放射線科勤務。1974年 大津赤十字病院放射線科勤務、同年放射線部第一技術係長。1986年 同院放射線部第一技術課長を経て、1992年 放射線部技師長に。現在に至る。

小川 正(おがわ ただし)

1976年 京都放射線技術専門学校(現 京都医療技術短期大学)卒。1976年 住友病院勤務。1981年 大津赤十字病院勤務。2002年 放射線部課長に。現在に至る。

(注)所属・役職および研究・開発、装置などは取材当時のものです。