学芸員モノ語り

民具で科学体験!

今回、大東市立歴史民俗資料館の企画展「カガクでひもとく民具の世界-技術の中の科学-」(2014年6月14日~8月31日)のイベントに協力し、講演や当館での見学会を行いました。

大阪府大東市は、大阪市の東に位置するのどかな住宅地ですが、縄文時代には生駒山の麓まで海であり、それ以降も湖や池の状態が続いた低地帯です。江戸時代には、治水・新田開発よって農地化され、常に水との関わりがあったことから、田に水を汲み上げたり、排水するミズグルマ(踏車)の一大生産地でもありました。

「展示品であるミズグルマなどの民具は、昔の人が自然の中から法則性を見出し作られたものです。その仕組みは、今の科学的な視点から見ても実に理にかなっています。」と話すのは、企画展を担当した大東市立歴史民俗資料館の溝辺学芸員。

ミズグルマで水を揚げる作業風景
ミズグルマで水を揚げる作業風景

まず講演会で、島津製作所が理化学器械の製造を始めた理由について、京都の近代化の歴史などを踏まえてお話しした後、見学会では、民具に備わっている科学的な仕組みに注目し、こうした原理が明治以降、教育の場で実際にどのような器械を使って教えられたのかを案内しました。

滑車や防火用ポンプといった器械を見ながら 「昔、身の回りにあった道具や機械の原理や仕組みは、今の複雑化したものと違い、わかりやすいなぁ。」と参加者の皆さん。

見学会の様子
見学会の様子

こうして2館が協力し、経験や感覚によって培われてきた民具から体系的な科学を根拠にした理化学器械への変遷の一端を紹介できたことは、当時の人も感じたであろう科学体験の面白さを伝えられた有意義な試みだったのではないでしょうか。

PAGE TOP