学芸員モノ語り

発明の日

4月18日は「発明の日」、この日を含む1週間は科学技術週間とよばれ、各地で科学技術に親しむイベントが開かれています。当館もこれに協賛し、毎年2日間の無料公開を行っており、今年は約860名のお客様にご来館いただきました。

さて、発明の日とは、特許法が公布された日です。明治18年(1885)4月18日に現在の特許制度の基となる、専売特許条例が公布されました。それまでの日本では、発明自体が稀なことであり、こうした規則を運用するだけの知識や経験が乏しかったのです。

島津製作所で初めて特許を取得したのは、明治38年10月4日のことで、二代目島津源蔵が考案した『輪転圧昇喞筒』(特許第9494号)です。揚水用の回転式ポンプで、給水管から吸い込んだ水を圧縮し、大きな圧力で排水口から押し出す仕組みにより、効率良く多量の水を高い場所まで移動することができました。また、初の登録実用新案も同年に二代目源蔵が『回転変色板装置』で取得しています。この装置は、2枚重ねた円盤を僅かに違う速度で回転させる仕掛けで、色彩豊かな模様が周期的に刻々と変化する目に鮮やかなディスプレーとして、広告や装飾などの用途で使えるものでした。こうした発明の積み重ねから、独自の考案による製品開発が盛んとなり、それに伴って知的財産権への意識や取得熱が高まっていったのです。

後に日本の十大発明家に選ばれた二代目源蔵は、晩年、発明について次のように語っています。

「私の今日までの考案発明は、充分学理を知ってそれを応用したのとは違って、実地で得た種々の経験より考案したことが、幸い学理とよく合致したという場合が多いのです。」

体験と触れ合いによって、科学技術の未来の扉が開かれることを伝えていければと思います。

大人気の実験コーナー
大人気の実験コーナー
旋盤に見入る海外からの観光客
旋盤に見入る海外からの観光客

PAGE TOP