学芸員モノ語り

電話の発明者、ベル来たる(1)

115年前の11月26日(明治31年(1898))、電話の発明者であるあのベル(Alexander G. Bell、1847-1922) が島津製作所を訪れています。 この出来事を京都府立盲学校の関係者の方からお聞きし、早速、当時の新聞を調べてみたところ、大阪朝日新聞にその記事が見つかりました。 ベルは、目覚ましい発展を遂げている日本の現状を実際に見聞する目的で、夫人と2人の令嬢と共に来日し、約2か月間滞在しています。そして、京都では3日間だけの短い滞在でしたが、そのなかで東山観光の途中に当社に立ち寄っていました。(※1)

記事によると、ベルは木屋町本店の陳列室を一覧し、「その中にて最も熱心に電気に関する諸器械を視察し」更に、それらの製品について「実地の運転を試みしが何れも成績佳良なるを賞賛し」なお、標本の製品で「米国になき物は参考のため、数品を買入れて土産とせり」とあります。 収蔵する明治40年以降の来訪客記録を見ても、その頃、韓国やインドの皇族など、京都に来た国内外の要人の多くが当社を訪れており、当時の最先端の理化学器械やその供覧実験、珍しい標本の製品などがこの人気の理由だったようです。

(※1)新聞には、ベル氏の京都滞在は3日間とありますが、盲学校の記録によると、ベル氏は明治31年11月21日に盲亜院を訪れており、約6日間滞在していたことになります。

明治30年代頃の物理器械陳列室
明治30年代頃の物理器械陳列室

また、ベルは二代目源蔵に記念品として「自製のX光線写真機を以て撮影せし写真などを贈り」また、「携帯の写真機を以て同所内の模様などを撮影したり」と書かれています。この時当社でも「教育用X線装置」や「暗箱式写真機」を製作し始めており、それらは二代目源蔵の目に大変興味深く映ったことでしょう。

教育用X線装置(製作開始:明治30年) 【展示中】
教育用X線装置(製作開始:明治30年)
【展示中】
暗箱式写真機(製作:明治28年以前) 【展示中】
暗箱式写真機(製作:明治28年以前)
【展示中】

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