国際的なデザインの祭典「ミラノデザインウィーク」に2度目の出展
サイエンスアート「In-Between Matter」を展示

島津製作所は、4月20日~26日に開催される世界最大規模のデザインの祭典「ミラノデザインウィーク2026」に出展します。同展では、デザインスタジオ we+(ウィープラス、東京都)との共同制作による、サイエンスアート「In-Between Matter(インビトウィーン・マター)」を展示します。

In-Between Matter

 

ミラノデザインウィークとは

「ミラノデザインウィーク」は、毎年4月にイタリア・ミラノ市で開催される世界最大規模の国際家具見本市「ミラノサローネ(Salone del Mobile.Milano)」と、同時開催の「フォーリサローネ(Fuorisalone)」を合わせた総称です。全世界から数多くの企業やデザイナーが参加し、各々の技術を活かした製品やアート作品が展示されます。

2025年のミラノサローネには37か国から2,000を超える出展があり、6日間で30万人以上が来場しました。 当社が出展するフォーリサローネはミラノ市内の美術館、歴史的建造物、大学などさまざまな場所で実施され、ミラノデザインウィークの期間中は街全体がアートで彩られます。

In-Between Matter:“あいだに在るもの”を表現

今作のタイトル「In-Between Matter」は、直訳すると「物質と物質の間に」を意味します。“あいだに在るもの”を表現する本展示では、当社が長年培ってきた分析計測技術の根幹にある「分ける」という行為に着目し、その過程や現象を体感できるサイエンスアートを展開します。

作品の制作風景
分離分析の基礎であるペーパークロマトグラフィー(紙と水でインクを分ける手法)を実施した様子

作品の制作風景。右は分離分析の基礎であるペーパークロマトグラフィー(紙と水でインクを分ける手法)を実施した様子

クロマトグラフィーや飛行時間型質量分析、紫外可視分光といった分析技術を発想の起点に、物質が持つ固有の性質によってそれらが自然に分かれていく様子を視覚的に表現します。展示品、映像、照明、音響といった空間の構成要素全体を作品とするインスタレーションという形式を採用し、作品に没入感を持たせています。会場には大きく分けて4種類の作品が展示されます。体験型の作品では、回す、押す、浸すなどの鑑賞者の動作によって物質が変化する様子を観察・鑑賞することができます。

作品のインスピレーションの元となった当社の液体クロマトグラフ
作品のインスピレーションの元となった当社の紫外可視分光光度計

作品のインスピレーションの元となった当社の液体クロマトグラフ(左)と紫外可視分光光度計

科学の魅力を伝えるために

「In-Between Matter」を制作した当社の総合デザインセンターでは、次世代の科学者誕生への貢献を目的に、デザインを通じて科学の魅力を伝える取り組みを続けてきました。今回コラボレーションしたwe+とは、2022年からリサーチプロジェクト「WONDER POWDER」を進めており、当社にとって初出展となったミラノデザインウィーク2024ではその研究成果を展示しています。

2024年に展示した「WONDER POWDER」。水で満たされたケースには粉末状の金属や天然石が入っており、ケースを傾けるとそれらがグラデーションを描く。当社の主力技術であるクロマトグラフィーから着想を得た作品

今回の出展も科学技術への興味を喚起する活動の一環です。WONDER POWDERでは粉体をテーマに科学の面白さを表現し、当社や当社の強みである分析計測技術を身近に感じてもらうという試みでした。「In-Between Matter」では分析対象を限定せず、「分ける」「物質の境界」といった、より抽象度の高い科学的な概念をテーマにしています。「分析とは何か」という分析計測技術の本質を体感できるサイエンスアート作品を通して、鑑賞者を科学の世界に誘います。

展示概要

会期:2026年4月20日(月)~4月26日(日)
会場:Cavallerizze (レオナルド・ダ・ヴィンチ記念国立科学技術博物館の「Cavallerizze」エリア)
   Via Olona, 4, 20123 Milan, Italy

担当者のコメント

当社総合デザインセンターの担当者より

今回は、レオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館という、科学探究の歴史が刻まれた場所での展示となります。我々が掲げる「科学の魅力を伝える」という取り組みとも響き合う空間です。この場に当社と気鋭のデザインスタジオwe+の表現が交わることで、専門知識の有無にかかわらず、多くの方々に科学の魅力を体感いただける構成となると思っています。

2024年の「WONDER POWDER」では多くの来場者とメディアから大きな反響をいただきました。本展ではそれをさらに発展させ、科学の面白さの“はじまり”に触れる体験をお届けしたいです。世界の見え方が少し変わる、その入口となることを願っています。

we+の担当者より

ミラノデザインウィーク2度目の出展となる今回、私たちは「島津製作所は何を提供する会社なのか」という根源的な問いからスタートしました。チーム内での議論やリサーチから見えてきたのは、「多様な技術の開発を通して科学の発展に貢献する」という島津製作所の一貫した姿勢でした。

私たちはその価値を、科学者ではない一般の方々にも直感的に伝えるため、we+が得意とする"感性に訴えかけるインスタレーション"という手法を選びました。分析機器を着想源とした本インスタレーションがフォーカスするのは、分析によって立ち現れる物質と物質のあいだ、論理と感性のあいだといった、境界領域に存在する、まだ名づけられていない魅力的な何かです。

来場者には、先入観を持たずに、まずは目の前に現れる現象の不思議さや面白さに身を委ねていただきたいと考えています。そこから生まれる「なぜ?」や好奇心こそが、科学の出発点になると信じているからです。

 

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