株主の皆さまと百余年
株主総会を振り返る
1917年9月、当社は「創立総会」を開催し、株式会社としての第一歩を踏み出しました。この日の記録を振り返るとともに、今年6月に開催された株主総会の様子をご紹介します。
第162期 定時株主総会の様子(2025年6月26日)
株式会社 島津製作所「創立総会」
1917年(大正6年)9月1日、島津製作所の所主であった二代島津源蔵 は、京都商工会議所の3階を借りて「創立総会」を開催しました。
創立総会の記録(社内文書より)
1917年当時、二代島津源蔵は「日本が世界でトップレベルの工業国に成長するためには科学技術の発展が不可欠だ」と考え、外部資本の導入による事業拡大と企業の近代化を図りました。
近江の豪商である発起人 藤井善助氏のほか、当時の三菱銀行京都支店長で後に頭取となった加藤武男氏の支援を受けて開催された創立総会では、発起人 藤井氏が議長を務め、会社設立に関する事項の報告、定款の承認、取締役と監査役の選任が行われ、「株式会社 島津製作所」が誕生しました。
1917年9月の創立総会会場レイアウト(社内文書より)
創立総会の記録によると、株式総数は4万株で、183人がこれを引き受けたとされています。1917年(大正6年)7月16日の大阪朝日新聞の記事には、「満株以上の申し込みがあり、賛成人に対して減少割り当てを了承してもらう」という記載があり、株式会社化にあたり、多くの方々から株式の引き受け申込があったことがわかります。
当社は、株式会社設立当初の1917年9月から1975年3月までは、半年を1会計年度(通期)としていました。商法改正により中間配当制度が導入されたことをきっかけに、1975年4月から1年決算に移行して、2025年4月から163期が始まりました。
第162期 定時株主総会
当社は6月26日、京都本社にて第162期 定時株主総会を開催しました。株主の皆さまにより、剰余金の処分、取締役の選任、監査役の選任の3件が全て承認されました。
株主総会の冒頭、議長である代表取締役山本靖則は、当社が創業150周年を迎えたことについて株主の皆さまに感謝の意を述べ、業績や対処すべき課題など報告事項の説明を行いました。
その後の質疑応答では7名の出席者から16件のご質問が寄せられ、議長や経営陣が一つ一つお答えしました。株主総会は約1時間半で終了しました。
当日は、当社の歴史や事業を株主の皆さまにより深く知っていただくため、150年の歴史を辿る年表パネルや、当社製品と京都の伝統工芸技術を融合したコンセプトモデル製品、NHKの「魔改造の夜」に出演したモンスターマシンの特別展示を行ったほか、株主総会終了後にはショールーム見学ツアーを開催しました。

150年の歴史を辿る年表パネル

伝統工芸技術を施した製品を展示

会場前に展示された魔改造の夜モンスター

見学ツアーの様子
株主総会を支える
当社の株主総会は、法務部を中心に準備・運営しています。
法務部コーポレートグループのメンバー
株主総会は、会社と株主の皆さまが直接向き合う貴重な機会です。ただ法律を守るだけでなく、当社の考えや方針を正しくお伝えし、信頼関係を深める大切な場と位置づけています。
たとえば、株主総会のご案内となる「招集通知」では議案の背景・役員候補者の情報などを、株主総会終了後にお届けする「株主通信」では新製品や共同研究など当社の取り組みを、できるだけわかりやすい言葉で丁寧にお伝えするよう心がけています。
招集通知・株主通信
近年は、株主総会オンラインサイト「Engagement Portal」において事前質問受付とライブ配信の視聴を組み合わせて、より多くの方に当社の株主総会に参加・関心を寄せていただける環境づくりも進めています。
これからも、株主の皆さまとの対話を大切にし、信頼に応える株主総会の実現に努めてまいります。
