島津製作所 創業150周年
記念アニメーションを公開
2025年3月31日、島津製作所は創業150周年を迎えました。1875年の創業以来、「科学技術で社会に貢献する」という志のもと、多くの皆様に支えられて事業を継続してまいりました。
改めましてご関係の皆さまに心よりお礼申し上げます。
この節目を記念し、「創業当初の想いを過去から現在、そして未来へと繋ぐ」ことを目的に、創業150周年記念アニメーションを制作・公開しました。本作は、1877年の京都を舞台に、初代・島津源蔵が軽気球の飛揚に挑む姿を、共に働く社員の視点から描いた約4分のアニメです。
キャスト 島津源蔵:津田健次郎 島津社員:雨宮天
STAFF 監督・絵コンテ・演出:徳野鉄雄/キャラクターデザイン:西尾鉄也/作画監督:椛島洋介
/アニメーションプロデューサー:福盛博一
アニメーションスタジオ:スタジオKAI
アニメ制作の背景
このアニメは、当社の150周年記念プロジェクトの企画メンバーが思索を重ねて生まれた取り組みです。当社を多くの方に知っていただき、「新しいことに挑戦し続ける島津製作所」を伝えるために、海外でも人気の高い日本アニメの力を活用することを選びました。
150周年記念プロジェクトのアニメ企画メンバー:
左から 人財開発室 グループ長 中田、モノ作りセンター 松永、DX・IT戦略統括部 伊東、
技術推進部 グループ長 明地、DX・IT戦略統括部 内田、島津総合サービス 副課長 重松
メンバーの一人である入社4年目の伊東尚輝は、DX・IT戦略統括部で当社の情報セキュリティに携わっています。アニメに対する深い造詣を活かし、本プロジェクトを牽引する役割を担いました。制作会社にアプローチし、株式会社ADKマーケティング・ソリューションズの協力を得て、スタジオKAIが制作、徳野鉄雄さんが監督を務めることが決まりました。
メンバーは、過去・現在・未来のストーリーを裏付ける歴史調査や、当社の将来像について、何度も打ち合わせを行いました。
制作にあたり、当社メンバーとアニメ制作チームは、島津源蔵が住居兼本店として使用していた「島津製作所創業記念資料館」を入念に見学し、写真や動画を撮影してアニメの下地を作りました。作中では資料館の様子が忠実に描かれています。
資料館ご見学の際は、実際の館内と見比べながらお楽しみください。
アニメーションの見どころ 熱量は映像に現れる
アニメ制作チームにインタビューしました。
左から 株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ クリエイティブディレクター 阪脇 麻沙子さん、
監督 徳野 鉄雄さん、株式会社スタジオKAI プロデューサー 福盛 博一さん
― ストーリーについて教えてください
「創業者の挑戦と未来への架け橋を描いています。特に、創業者の島津源蔵が気球を揚げるシーンは、『現在の島津製作所に繋がる挑戦精神を象徴するもの』と企画段階で伝えられていたため、特にこだわって描きました。」
― 気球飛揚シーンのこだわりを詳しく教えてください
「ここでは、『天候の変化を通じて人の感情の動きを表現したい』と考えました。実際に気球が揚がったのは12月で、当時雪が降っていたかは史実を調べたものの判明しませんでした。しかし、演出としてあえて雪を降らせることにしました。」
「気球が上がり太陽が顔を出すと、気温が上昇して、雪がみぞれ交じりに変わる。そして、太陽の光を受けたみぞれが虹色に輝き、京都の町が明るくなる――この演出により、気球が揚がったことを喜ぶ観客の熱気で、東京奠都により沈みがちだった京都の街に明るさが戻る様子を重ね合わせて表現しました。」
「また、島津源蔵が気球を揚げたとされる仙洞御所に訪れ、どの場所で行われたか調査・検証した上で、アニメに落とし込みました。残念ながら史実としての確証は得られませんでしたが、考えうる最適な場所を選んで描写しました。」
創業当時の島津製作所(現在は資料館)と、近くを流れる高瀬川の風景
― 作品全体について、特にこだわってつくられたところを教えてください
「背景の時代考証にも力を入れました。1875年はすでに写真が残っている時代のため、いい加減な描写は出来ません。歴史的な背景を忠実に再現するため、資料調査を徹底し、細部までこだわり抜きました。」
「例えば、1875年東京奠都により、京都は疲弊していたと記録されています。しかし、写真を見ると街並みは荒廃することなく美しく整っているものの、人が減って寂しさが漂う様子が読み取れます。当時の様子をふまえて、創業当時の風景を忠実に描くことで、島津源蔵が生きた時代の空気を感じてもらいたいと考えました。そこで源蔵が何を思い気球を揚げたのか――その想いと熱量が、映像を通して伝わることを願っています。」
こだわりのポイントが全編に亘る本編をお楽しみください。
試写会を終えたメンバーは、アニメのクオリティの高さに驚きと感謝の言葉を発しました。当社の社員だけでなく、監督や制作会社の皆さんの熱意が詰まった作品が完成しました。
アニメ企画メンバーのコメント
このアニメをきっかけに当社を知っていただき、更に多くの方々との繋がりが生まれることを願っています。
今後も皆さまと協力しながら、科学技術で社会に貢献してまいります。
