中国におけるヘルスケア分野への貢献
島津-艾迪迈（Aidimai）共同ラボの設立
「島津-艾迪迈共同ラボ」開所式にて
島津製作所は2023年4月、「世界のパートナーと共に社会課題を解決するイノベーティブカンパニーへ」を基本方針とした３か年の中期経営計画をスタートしました。「ヘルスケア」「グリーン」「マテリアル」「インダストリー」の4つの領域において、海外拠点を通じた世界のパートナーとの連携を強化しています。
中国エリアを統轄する島津企業管理（中国）有限公司（以下、SSL）は、今年3月に臨床検査・試薬を手掛ける「南京艾迪迈科技有限公司（Nanjing Aidimai Technology Co., Ltd；以下、艾迪迈）と戦略的提携契約を締結しました。両社は、「島津-艾迪迈共同ラボ」を設立し、臨床分野におけるクロマトグラフィー技術の普及と臨床検査システムの開発を目指します。
臨床分野に強い艾迪迈
2019年に設立された艾迪迈は臨床検査や、その試薬の製造に強みを持ちます。江蘇省、重慶市、湖南省に拠点を置き、中国内外の多くの検査機関や企業と協業しています。
同社の磁気ビーズを用いた前処理※1技術・装置は、治療薬モニタリング（TDM）、血中のビタミンやホルモン等の測定、核酸医薬品・抗体医薬品の精製や分析に広く応用されます。
- ※1：抗体等を結合させた磁気ビーズを用いて、サンプル中の特定の分子や物質を選択的に捕捉または分離する処理のこと。これにより、前処理・分析の効率性や精度が向上する。
島津-艾迪迈共同ラボ
共同ラボでは今後、艾迪迈の磁気ビーズ自動前処理装置と、島津の液体クロマトグラフ（LC）および質量分析装置（MS）を組み合わせ、TDM、ビタミン、ホルモン、カテコールアミン※2を主なターゲットとした分析精度・効率の高い臨床検査システムやソリューションを開発していきます。
- ※2：主に脳、副腎髄質および交感神経に存在する生体アミンの総称。ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどが挙げられる。
両社のコメント
開所式では、両社はそれぞれ以下のように話しました。
艾迪迈 会長/ゼネラルマネージャー 石 功名 氏
島津-艾迪迈共同ラボの設立は、「初心を忘れず、手を携えて前進する」という島津と艾迪迈双方の長年の信念に基づいています。
将来的には、両社の技術と製品の特長をより効果的に融合させ、臨床分野におけるクロマトグラフィーや質量分析に対する顧客の様々なニーズに応えてまいります。
SSL 分析計測事業部 マーケティング部 部長 胡 家祥
今回の艾迪迈とのラボ設立は、臨床分野におけるニーズを満たす、さらに高度なクロマトグラフィー手法の共同開発に向けた新たなマイルストーンです。
島津は今後も「発展」「協力」「多角化」の誠実な姿勢を貫いていきます。そして、優れたパートナーと共に「精密医療」の実現に向けてたゆまぬ努力を続け、人々の健康に貢献してまいります。
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