2022.06.28

初めての元素分析にも 原子吸光分光光度計(AA)

島津製作所の製品や技術がどのように役に立っているのかご紹介します。今回のテーマは、原子吸光分光光度計です。

元素分析の一歩目になることも多い装置です。身近な分野での用途として、牛乳に含まれるカルシウム量の測定にも利用されています。
 

原子吸光分光光度計(AA)とは

原子吸光分光光度計(AA:Atomic Absorption Spectrophotometers)は、液体サンプルに含まれる無機元素の種類や量を測定する装置です。特定の波長の光を吸収する元素の性質を利用しています。

食品だけでなく、環境や製薬、化学といった分野でも使用されています。数ある元素分析装置の中でも比較的小型で、スループットやランニングコストの面でも導入しやすい装置です。そのため、初めての元素分析装置として選択されることも多々あります。

当社は1968年から原子吸光分光光度計を販売しています。国内ではトップクラスのシェアを有しており、海外での展開も推進しています。

原子吸光分光光度計で牛乳中のカルシウムを測定

私たちの生活に比較的身近な、食品分野における原子吸光分光光度計の使用例として、牛乳中のカルシウムの測定が挙げられます。カルシウムを含む食品としてよく知られている牛乳ですが、カルシウムはミネラルの一種で無機物であるため、原子吸光分光光度計で測定することができます。

大手乳業メーカーの研究開発部門や品質管理部門、食品系の受託分析会社で多数の装置が稼働しています。

牛乳のイメージ

新製品を一人でも多くのお客様のもとへ

当社は、原子吸光分光光度計のグローバルシェア拡大のため、2つの測定方式に対応するデュアルシステムとして世界最小(当社調べ)の「AA-7800シリーズ」を2022年6月に発売しました。コンパクトさや汎用性、操作性を特長としています。

原子吸光分光光度計「AA-7800シリーズ」

本製品は、中国・蘇州の製造子会社で生産することで「地産地消のものづくり」を推進するとともに全世界へ販売します。中国は、原子吸光分光光度計の最大市場です。製薬や環境といった分野へ展開していきます。

開発を担う、分析計測事業部 スペクトロビジネスユニットの担当者は次のように語っています。

原子吸光分析光度計は、食品、環境、医薬、マテリアル、教育機関をはじめとする幅広い業界で使用されている元素分析装置です。公定法として多くの試験法に取り入れられているため、今後も根強い需要が見込まれています。

新製品「AA-7800シリーズ」は、“Any Application”、”Any User”、”Any Location”をコンセプトとしています。幅広い使い方に対応でき、初心者でも安心して使える安全性と操作性を備え、設置場所の自由度が高く、遠隔でのデータ処理などで分析オペレータのワークスタイルの自由度を高めることができます。ひとりでも多くのお客様にお使いいただけることを願っています。

「AA-7800シリーズ」のプレスリリースをチェックする

 

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