新本社棟の竣工 :環境問題

2014年6月に本社・三条工場内に新本社棟が竣工しました。
この建物は本社・三条工場内における本社機能を集約するだけでなく、さまざまな環境配慮を施しています。
建築物の環境総合性能評価システム(CASBEE)に「京都らしさ」の評価を加えたCASBEE京都において、最高評価のSランクに認定されました。
また、この新本社棟の南側に「島津の森」(8,000m2)を新たに整備しました。この緑地帯は、公益財団法人日本生態協会が開発・運営し、生物多様性の保全や回復に資する取り組みを客観的に定量評価するハビタット評価認証(JHEP認証)において、最高ランクのAAA評価を取得することができました。今後もさらにこの豊かな生態系の維持・保全に努めて参ります。

新本社棟

京都府産木材の積極利用

木材資源の地産地消と地域林業の振興を目的として、応接室で使用される机や棚などに京都府の伝統的な木材資源である北山杉を採用しました。これにより平成26年度府内産木材活用優良施設コンクールで京都府知事賞を受賞しました。

京都府産木材の積極利用

自然換気システム

建物の換気窓と給気グリルによって、自然通風を用いた新鮮な空気を建物内に送り込み、春や秋の中間期には建物内部の空調負荷の低減を図ることができます。

自然換気システム

放射空調システム

各フロアの天井面に設置した放射パネルに冷温水を流すことで、放射パネルを介した穏やかな熱交換による空調システムを導入しました。冷温風が身体に直接当たることがなく、室内の温度ムラも少ない快適な執務空間を実現しました。

放射空調システム

自然採光と照度センサ

太陽の動きを追尾して館内のブラインドを制御するシステムにより、自然採光をできるだけ取り入れると共に、照度センサとの連動によって照明の負荷を低減させることができます。また、建物内の照明は全てLED照明を採用しています。これらの設計が評価され、照明学会から平成26年度照明普及賞を受賞しました。

自然採光と照度センサ

「島津の森」造成時の資源循環

建屋南側に広がる「島津の森」の造成の際には、落葉や雑草を用いた腐葉土と、木製パレットや梱包材を炭化処理した土壌改良剤が使用されました。いずれも構内から発生する廃棄物を循環利用したものです。

「島津の森」造成時の資源循環

JHEP認証取得によせて

京都市の中心部において、地域の植物を中心とした新たな緑地が生み出された点が大変評価できます。今回の事業でスタジイやアラカシなどの在来種を中心とした樹木が植栽され、緑地の面積が大幅に増えました。こうした遺伝子に配慮した事業は国際都市京都の評価をさらに高めるものです。
今後、森を育てながら、コジイや野草も育てていくことで、さらに良い自然が再生されていくものと期待しています。

公益財団法人 日本生態系協会
事務局長 関 健志 様

JHEP認証取得によせて

地域からの声

中京区では、区役所屋上や二条城のほか、区内数か所で事業者に都市養蜂を行っていただくと共に、区民に身近な緑化を呼びかけ、ニホンミツバチとの「共生」をテーマにまちなか緑化を進めています。広大な「島津の森」には、周辺を訪れる区民らが身近に自然環境に触れることで、「緑豊かなまちづくり」への共感を促す地域資源として期待しています。これから「島津の森」に育つ花木にミツバチが飛び交う姿を想像すると楽しみになります。

京都市中京区役所 地域力推進室
大石 大輔 様