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File No.04

どうしてこうなった?

救急絆創膏の呼び方全国調査

今回は「ココにも科学」ではなく「ココにも雑学」となってしまいますがご容赦ください。。。

それって、一般名称?

まずはクイズから。
「ホッチキス」「テトラポッド」「タバスコ」 この3つに共通するものは何でしょうか。

正解は、3つとも商品のブランド名であること。ホッチキスは、「ステープラー」、テトラポッドは「消波ブロック」、タバスコは「ペッパーソース」が、それぞれ一般名称。ところが、一般名称のほうの認知度は低く、会話に出てくることはまれです。
そのほかにもキャタピラー(クロウラー、無限軌道)、ジープ(軍用小型四輪駆動車)、ドライアイス(固体二酸化炭素)など、同様の例はかなり多そうです。

商品名が一般名の代名詞になる。
商品の販売元にとってみれば、これほどありがたいことはありません。似たような商品がいくつか並んでいれば、消費者は、聞いたことのある商品名を手に取ります。そのため開発者も、広告業者もなんとか名前を浸透させようと躍起になるのです。

代名詞化した商品に共通するものは何なのでしょう。どうやら従来の市場になかった画期的な商品で、消費者から大きな支持を受けると、その商品名が一般名称化する傾向があるようです。
ホッチキスが日本で初めて販売されたのは1903年。アメリカ製でボディに「HOTCHKISS NO・1」と刻印されていました。その便利さでヒットしたものの、まだだれも見たことのない商品で、誰とはなくホッチキスと呼ぶようになったと言われています。※1
最近の例では「QRコード」も株式会社デンソーウェーブの登録商標。1994年の開発で、当初は工場やスーパーの業務用に開発されたそうですが、カメラ付き携帯電話などに読み取り機能が搭載されるや大ヒット。いまや世界で使われるグローバル・スタンダードになっています。

こう考えると、商品名の一般名称化は、移り気な消費者の心をぐっとつかんで離さない圧倒的な商品の魅力に対する最大級の賛辞といえそうです。

6種類の呼び名が群雄割拠

ところで、この“法則”を知ってか知らずか、全国各地で6種類もの呼び方がある品目があります。それが救急絆創膏。熊本県に本社を置くリバテープ製薬株式会社の調査によると、関東地方と、奈良県、和歌山県を除く近畿地方、中京地域の三大都市圏は、「バンドエイド」。中四国と東北地方では「カットバン」が一般的。そこに割って入るのが広島県、和歌山県、北海道の「サビオ」。そしてリバテープのお膝元九州地方では「リバテープ」が多く使われており、富山県ただ一県、「キズバン」という名前で呼ばれています。さらに、静岡県・信越では「絆創膏」と一般名称も使われており、まさに群雄割拠。「リバテープとって」「カットバンお願い」といって、「なにそれ?」と返された経験のある方も、少なくないのではないでしょうか。

いったいどうしてこんなことになったのでしょうか。販売元各社の沿革を調べてみると、ヒントが見えてきました。

ジョンソン・アンド・ジョンソン社からバンドエイドが国内発売されたのは1959年、その翌年にはリバテープ社が国産初の救急絆創膏を開発し「リバテープ」の名称で発売しました。さらにその翌年にはカットバンが、1年おいて1963年には「サビオ」が発売されています。その便利さは衆目が一致するところで、商品名の一般名称化が進んだものの、各商品の発売年が近く、本社所在地を中心に薬局の店頭を巡って熾烈な拡販競争が繰り広げられていたため、そのとき店頭で優勢だった商品名が浸透した、といったところではないでしょうか。

ところで、この絆創膏。すぐに剥がれてしまうのはよくありませんが、剥ごうとしたときに剥げないのも問題。ちょうどいい貼り着き具合が大事で、メーカー各社は、粘着剤の成分やその塗り方に工夫を凝らしています。さらに、試験を繰り返して、その強さを検証。厳しいテストをくぐり抜けたちょうどいい剥がれ具合の製品だけが世に出ていくのです。店頭で見かけたら、そんなテストの様子も想像してみてください。

  • ※1 出典:株式会社マックス『ホッチキス物語』

リバテープ社の調査はこちら >>

あなたは何と呼ぶ? 絆創膏の呼び方MAP(外部サイト)

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小型卓上試験機 EZ Test シリーズ

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