安心・安全な水を届けるために

上水

水道水の水質基準は各国で設定されており、島津はその水質基準に対して検査するための分析計測機器とサービスを提供することで、安全安心な水道水の供給に貢献しています。

ホルムアルデヒド、ハロ酢酸、フェノール類の分析

ホルムアルデヒド、ハロ酢酸、フェノール類などは、水道原水中の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成される消毒副生成物で、その毒性に応じて水質基準が設定されています。
これらの成分には高感度分析が可能な、液体クロマトグラフや液体クロマトグラフ質量分析計が使用されます。

高速液体クロマトグラフ質量分析計 LCMS-8060
ホルムアルデヒド標準溶液(10μg/L)の
MRMクロマトグラム

揮発性有機化合物(VOC)、カビ臭の分析

ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)は、VOCやカビ臭原因物質など幅広い成分分析に使用される分析装置です。成分の特性に応じて分析を効率化させる各種前処理装置を提供しており、水質分析で求められる多成分一斉分析や微量成分の高感度・高選択性の分析を実現します。

ガスクロマトグラフ質量分析計 GCMS-TQ8050 NX
1,4-ジオキサン-d8のMRMクロマトグラム

シアン化物イオン、塩素酸、臭素酸の分析

シアンは、めっき工程や鉄鋼製造、化学合成で使用されるものですが、強い毒性があります。また、塩素酸、臭素酸も毒性や発がん性があります。これらの分析にはイオンクロマトグラフが用いられており、高感度・迅速分析が可能なシアン分析システムや臭素酸分析システムを提供しています。

シアン化物イオン、塩化シアン標準品のクロマトグラム
イオンクロマトグラフ HIC-ESP

重金属類の検出

水道水の分析には、ナトリウム、カルシウムなどのmg/L以上の高濃度元素から、鉛、カドミウムなどの微量元素まで多くの対象物質が検査対象になります。鉛は、貧血、血液変化、神経障害、胃腸障害を、カドミウムは腎不全、骨軟化等の毒性症状を引き起こします。これら重金属類の分析には、ICP-MS法やICP発光分析法、原子吸光法(AA)が使用されますが、微量元素を含む試料の一斉分析にはICP-MS法が最適です。

ICP質量分析計 ICPMS-2030

全有機体炭素の測定(TOC)

全有機体炭素測定は、水質に含まれる有機物を酸化した際に発生する二酸化炭素の量を測定することで、試料中の有機性汚濁を評価する際に用いられます。当社のTOC計は世界トップシェアを誇っており、長年の実績および信頼で社会の水質保全に貢献しています。

全有機体炭素計 TOC-L