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コラム

2020.5.19

TRAINING

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1回30秒、バランスボールでインナーマッスルを強化

押野 紗穂

皆さんのご自宅に、眠っているバランスボールはありませんか?実はどう使えば良いのか分からない方が多いのではないでしょうか。私は幼い頃にバランスボールを買ってもらいましたが、妹と座ってバランスをとるゲームをしていた程度で、いつの間にか使わなくなってしまいました。

しかし、バランスボールは正しく使うとインナーマッスルを効果的に鍛えることができ、体のバランスを整えるのにも役立ちます。そこで今回は、バランスボールを使ったトレーニングをご紹介します。メニューのバリエーションを増やして、バランスボールを最大限に活用していきましょう!

ここで紹介するトレーニング方法や器具などによる効果は選手個人の感想です。
選手たちは日頃からトレーニングを積んでいます。
お試しになる場合は、自分の身体の具合に合わせて緩やかに行うことをおすすめします。

1. バランスボールの効果

バランスボールに体重をかけてバランスを保つと、普段意識して動かすことのできないインナーマッスルに負荷をかけることができます。関節の安定と怪我の予防に効果のあるインナーマッスルを効率よく鍛えることができるのです。体重をかける角度を変えながらストレッチを行うと、より高い効果を得ることもできます。

バランスボールに座っているだけでも体幹を鍛えることができ、体の歪みの矯正にも繋がるので、運動が苦手な方にもおすすめです。

ヒップリフトをする押野紗穂

2. バランスボールを使ったトレーニング動画

バランスボールに慣れていない方は、広い場所を確保し、体を支えられる物を近くに置くなど、
安全に注意しながら行うことをおすすめします。

3. バランスボールを使ったトレーニングメニューの解説

今回ご紹介するメニューは全て30秒間キープするメニューです。これを目安に、無理をせず自分にあった時間を設定してみてください!

プランク

お腹周りや背中、腕周りなど広範囲に効くトレーニングです。両肘をボールの上に乗せ、お腹に力を入れながら体をまっすぐに保ち30秒間キープします。疲れてお尻が上がってくるとトレーニング効果が下がってしまうので注意しましょう。腰が反ると腰痛の原因になるので、正しい姿勢で行うことがポイントです。

片足ホールド

体幹、肩周り、股関節周りの安定性を上げるトレーニングです。地面に手をついて肘をまっすぐ伸ばし、片足をボールに乗せた状態で30秒間キープします。もう一方の足は地面に付かないよう膝を曲げます。プランクと同様に、お尻を上げないことと腰を反らさないことを意識します。

サイドプランク

脇腹、お尻効くトレーニングです。横向きの状態で地面に片方の肘をつき、両足をボールの上に乗せます。上の足は前に、下の足は後ろに乗せるようにして30秒間キープします。肘をついていない方の手はまっすぐ伸ばします。お尻が落ちてこないように注意すること、重心が前後しないようにキープすることがポイントです。

ヒップリフト

お尻に効くトレーニングです。仰向けに寝た状態でボールに足を乗せます。お腹に力を入れたままお尻を上げて30秒間キープします。疲れてきたらお尻が下がってきやすいので注意しましょう。

膝立ち

ボールに乗り、膝立ちの姿勢で30秒間キープします。バランスをうまく取って耐えてみましょう。ボールに乗る際は、慣れるまでは誰かに支えてもらうなどして、安定した状態からスタートしましょう。

4. まとめ

バランスボールを使ってトレーニングを行うことでインナーマッスルを効率よく鍛えることができます。

体のバランスが整うと、体幹や体のブレが少なくなり、再現性を上げることができます。テニスにおいてはショットの確率が勝敗を左右するスポーツなので、再現性を高めることはとても重要です。ここでいう再現性は、打ったボールや動きのバラつきが少ないことを意味します。体をコントロールしやすくすることで、パフォーマンスの向上に繋げることができるのでぜひ試してみてください!

5. Breakersを指導するトレーナー・
横山正吾さんからのアドバイス

スポーツショップなどに行ってバランスボールを見ると、大きさに違いがあることに気づくと思います。よく見かけるサイズとして直径45cm、55cm、65cm、75cmがあります。

選ぶ基準として、身長150cm以下の方は45cm、150~165cmの方であれば55cm、165~185cmの方で65cm、185cm以上の方は75cmサイズが目安になります。もう1つの簡単な目安としては、バランスボールに座ったときに膝が90度曲がる状態になるものを選ぶというのが挙げられます。島津製作所テニスチームでは55cmサイズのバランスボールを使用しています。(※同じサイズでもメーカーなどにより多少の大きさや硬さの違いはあります)

選ぶ際の注意点ですが、意図せずバランスボールに穴が開いた際などにゆっくりと空気が抜けていく構造になっているアンチバーストタイプをオススメします。

次にバランスボールの効果です。不安定なボールの上でエクササイズをすることにより、文字通り身体のバランスを保つために全身の筋肉を使うことができます。

バランスボールの上に腰掛けるだけで、頭からお尻まで一本の線のように身体の軸がイメージでき、姿勢が良くなったように感じたことのある方もいらっしゃるのではないかと思います。これはバランスが崩れないように無意識に全身の筋肉を使い、適切な姿勢を保とうとする反応からくるものです。普段、意識することの難しい深部の筋肉(インナーマッスル)まで複合的に鍛えることができるのがバランスボールを使う利点です。

転倒などには十分に注意して、まずは簡単な種目から徐々に強度を上げて行うようにしていってください。

横山正吾トレーナー

大阪社会体育専門学校 アスレティックトレーナーコースを卒業後、フリーインストラクターを経て、現在はテニス選手のトレーニング指導を中心に活動中。グランドスラムに出場するプロ選手から、大学、高校のテニス部、キッズまで幅広く指導。2016年から「SHIMADZU Breakers」の社員選手のトレーニングやコンディショニングを支えている。


資格

日本スポーツ体育協会公認アスレティックトレーナー
NSCA(全米ストレングス&コンディショニング)協会認定パーソナルトレーナー
日本体育協会公認フィットネストレーナー

その他

日本オリンピック委員会強化スタッフ