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コラム

2020.5.7

TRAINING

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1セット10回、臀部ともも裏に効くランジ!
~目指せ!自宅トレーニングでスッキリ下半身!~

西本 恵

春は新しいことを始めるのに良い時期ですね!運動不足の習慣を変えるチャンスではないでしょうか?

そういった方に、家の中でも簡単に取り組めるエクササイズをご紹介します。今回は、初心者でも簡単な「ランジ」に注目しました。ランジは下半身の引き締めに効果的といわれています。

ここで紹介するトレーニング方法や器具などによる効果は選手個人の感想です。
選手たちは日頃からトレーニングを積んでいます。
お試しになる場合は、自分の身体の具合に合わせて緩やかに行うことをおすすめします。

1. 「ランジ」とは

皆さんは「ランジ」という種目を知っていましたか?「ランジ」には突くという意味があり、前後、横方向に足を踏み出すことで下半身を鍛えるメニューです。

主に臀部と太ももの裏の筋肉、体幹を鍛えることができ、さまざまな競技のトレーニングに組み込まれています。重いバーベルを持って行うものから、自体重で行うものまで多種多様。目的に合わせてやり方や負荷を調整できる万能なエクササイズです。

サイドランジをする西本恵

2. 「ランジ」と「スクワット」の違い

ランジとスクワットの最も大きな違いは、片足にかかる負荷の大きさです。スクワットは筋肉を大きくしたい人向けのエクササイズです。足を左右に広げることで体幹が安定するため、両足に大きな負荷をかけることができます。

ランジは、ヒップアップと体幹を強化したい人向けです。片足に負荷がかかるので臀部と太ももの裏側を刺激しやすく、ヒップアップに繋がります。足を前後に広げて行うため、上体が倒れないように体幹を使います。臀部などの大きな筋肉を鍛えて筋量を増やすことで基礎代謝が上がり、痩せやすい体作りに繋がります。体幹が鍛えられて姿勢が良くなるという嬉しい効果も。

3. ランジのやり方

ランジのメニュー初級編と上級編を動画でご紹介します。両メニュー共通で以下を意識します。

  1. ①踏み込んだ足の膝がつま先よりも前に出ないようにする
  2. ②臀部と腸腰筋(太ももの前部)が固いと、腰を深く落としにくいのでストレッチも並行して行う
    (※ ストレッチには「筋膜リリース」がおすすめ!)

各メニュー10回を2~3セット行います。ご自身の筋力に合わせて、回数や負荷を調整します。

ランジのメニュー導入編

■ スプリットスクワット

スクワットに分類されますが、ランジの導入に適しています。

  1. ①つま先をまっすぐに向けたまま足を前後に開く
  2. ②上体が前に倒れないよう地面と垂直の姿勢で腰を落とす
ランジのメニュー初級編

■ フロントランジ

スクワットに分類されますが、ランジの導入に適しています。

  1. ①踵から地面につくことを意識して足を前に大きく踏み込む
  2. ②踏み込んだ足の臀部を使いながら足を元の場所に戻す

■ バックランジ

  1. ①片足を大きく後ろに下げる
  2. ②前に残っている足の臀部を使って蹴り上げて足を元の場所に戻す

■ サイドランジ

  1. ①片足を大きく横に踏み込む
  2. ②踏み込んだ足の臀部を使って足を元の場所に戻す
ランジのメニュー上級編

■ ランジジャンプ

  1. ①足を踏み込んだ状態から踏み込み足の臀部を使って蹴り上げる
    (右足を踏み込んでいる場合は、右の臀筋で蹴り上げる意識)
  2. ②蹴り上げた足の踵から地面につく

■ 高速フロントランジ

  1. ①踵から地面につくことを意識して足を前に大きく踏み込む
  2. ②踏み込んだ足の臀部を使いながら足を元の場所に戻す

■ 高速サイドランジ

  1. ①片足を大きく横に踏み込む
  2. ②踏み込んだ足の臀部を使って足を元の場所に戻す

4. まとめ

ランジはヒップアップと体幹に効果的なエクササイズです。自重で負荷をかけることができるので、簡単に始めることができます。運動不足の習慣を変えて、締まった下半身をゲットしましょう!

5. Breakersを指導するトレーナー・
横山正吾さんからのアドバイス

ランジは3つの要素で成り立っています。

  1. ①踏み込む
  2. ②踏み込み方向への重心移動をブロック(ストップ動作)
  3. ③蹴り返す

自分自身の体をコントロールための重要なトレーニングといえるでしょう。

踏み込み足に負荷が集中するため、両足で行うスクワットに比べて自分の体重だけでも大きな効果を得ることができます。特に臀部とハムストリング(太ももの裏側)などの強化には有効で、大きく踏み込むことで股関節周辺の柔軟性アップにも繋がります。

テニスでは「止まった姿勢」=「スイングの開始姿勢」であるため、ランジトレーニングは必須種目です。ボールが飛んでくる場所まで動いて、止まる、そしてボールを打つという連続の動作になります。1球のボールを打ち返すだけでも、スタートとストップを繰り返しています。

こういった動きの中でボールや身体のコントロールがうまくできない要因として「止まれない(自分自身の動きをブレーキングできない)」ということが挙げられます。

自動車に例えると、F1などで使用されるレーシングカーは300キロ以上のスピードが出るにも関わらず、ピットインする際には驚くほど素早く止まることができます。言い換えれば、素早く止まる(ブレーキングする)技術があるからこそスピードが出せるのです。

テニスの動きでも同じことがいえるでしょう。止まることができないと無意識にスピードを抑えたスタートになってしまいます。その場ではコントロールできるボールが、動きが入った途端に難しくなるという方も、動きの後うまく止まれていない可能性があります。

スイングの開始姿勢に入る西本恵

踏み込んだ際には踵から着地し、爪先側に体重が流れないよう、膝が爪先を越えて前方にでる「膝が流れた」状態にならないように行ってみてください。前屈みにならないのもポイントです。

是非、普段のウォーミングアップやトレーニングに組み込んでみてください!!

横山正吾トレーナー

大阪社会体育専門学校 アスレティックトレーナーコースを卒業後、フリーインストラクターを経て、現在はテニス選手のトレーニング指導を中心に活動中。グランドスラムに出場するプロ選手から、大学、高校のテニス部、キッズまで幅広く指導。2016年から「SHIMADZU Breakers」の社員選手のトレーニングやコンディショニングを支えている。


資格

日本スポーツ体育協会公認アスレティックトレーナー
NSCA(全米ストレングス&コンディショニング)協会認定パーソナルトレーナー
日本体育協会公認フィットネストレーナー

その他

日本オリンピック委員会強化スタッフ